ビッグコミックススペシャル 藤子・F・不二雄SF短編＜PERFECT版＞（７）タイムカメラ

著者名：藤子・Ｆ・不二雄【著】

小学館（2018/02発売）

• ISBN：9784091762078

内容説明

藤子・F・不二雄のSF短編112話を全8巻に完全収録した“PERFECT版”が登場！　鋭い風刺精神を存分に発揮した「藤子美学の世界」にどっぷり浸かれる作品集！

藤子・F・不二雄が生前に発表した、一風変わったSF短編作品を完全収録した『藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版』の第7集。本巻のメインとなるのは、遠い遠い星からやってきたヨドバ氏が、色々な不思議なカメラを地球人にセールスするシリーズ。表題作「タイムカメラ」をはじめ「ミニチュア製造カメラ」「値踏みカメラ」「同録スチール」「夢カメラ」「コラージュカメラ」などが登場する。このほか、さえない予備校生と世話好きなお姉さんが不思議なキノコの力を通してひかれあう「かわい子くん」、タイムマシンの発明を夢見る中学生の前に未来からの自分がやって来る「タイムマシンを作ろう」、映画サークルの4人が作ったそれぞれの自主制作作品をテーマに、途中まではユーモラスに、そしてラストは衝撃的に終わる名作「ある日……」など、様々なタイプのSF短編作品全16話を収録。おなじみ『ドラえもん』や『オバQ』とはひと味違う藤子・F・不二雄の世界が楽しめる決定版！

サラリーマンの河上は、同僚の順子とデートの約束をしていたが、当日になって断られてしまう。その夜、彼は、順子と課長がホテルへ入っていく姿を見てしまった。落ち込む河上。そこに不思議な男が現れ、カメラを買ってくれと懇願する。そのカメラは、過去を写す事ができる不思議なカメラだった……（第6話）。

目次
第1話　かわい子くん
第2話　テレパ椎
第3話　ニューイヤー星調査行
第4話　旅人還る
第5話　白亜紀二泊三日
第6話　タイムカメラ
第7話　福来たる
第8話　ミニチュア製造カメラ
第9話　値踏みカメラ
第10話　同録スチール
第11話　求む！求める人
第12話　タイムマシンを作ろう
第13話　夢カメラ
第14話　ある日……
第15話　倍速
第16話　コラージュカメラ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[まるほ]

“不思議な道具”の物語は、ドラえもんのネタにも共通する印象。ただラストに向けての展開が異なる。やはり大人向けになると“一捻り”してある。▼『倍速』のオチは、成年誌ならではのもの(笑)▼巻末のあとがきは、作者の長女。作者の自らの作品に対する思いや、代表作“ドラえもん”への葛藤など、興味深く読んだ。

2021/06/06

[kei-zu]

不思議なカメラの販売人、ヨドバ氏が大活躍。 パーマンに登場の魔戸災炎博士や、ドラえもんに登場のタイムパトロールなどの登場も楽しい。 巻末に収録のご長女による作者の思い出は、創作者の苦悩と親子の愛情が感じさせる内容でうるっと来ます。

2021/01/15

[袖崎いたる]

カメラにまつわるエピソードが多かったな。物の価値を語るための概念として「本価」「市価」「産価」「自価」を作っているのとかも名人芸ですわ。それと「ある日…」って漫画が入ってるんだけど、これはどっかで聞いたことがあるのよな。たぶんなにかの批評文で取り上げられていたと思うんだけど。話は映画の上映会で四人の作家がそれぞれ自作の映画を披露するってもので、最後にはある日がやってきて、画面がまっしろになる。つまり、終末のときがね。

2021/01/06

[コリエル]

今回は短編集ながらも、不思議なカメラを売りつけてくるセールスマンが登場してくる連作が数多く掲載されている。そちらもまあ面白いのだが、やはり昔に読んで以来印象に残っている「テレパ椎」と「ある日…」が面白かった。後はオチがアダルトで意外だったのは「倍速」かな。加速しすぎて老衰するようなネタかと思ったらクスリと笑わせられた。

2018/05/15

[うゆだちつ]

カメラ話が多かった第７巻。夢カメラなんかまっとうなラストというよりはリアルな終わり方でなんて現実的な終わらせ方するんだよと驚き。 一番笑ったのは「倍速」。「あなた早いのね。」(笑)

2014/08/28