内容説明
大ヒット警察学校小説、最新作!
●第一話 創傷(そうしょう)
初任科第百期短期課程の桐沢篤は、風間教場に編入された不運を呪っていた。医師から警察官に転職した桐沢は、ゴールデンウイーク明けに最初の洗礼を受ける。
●第二話 心眼
風間教場では、備品の盗難が相次いでいた。盗まれたのは、PCのマウス、ファーストミット、マレット(木琴を叩く枹)。単独では使い道のないものばかりだ。
●第三話 罰則
津木田卓は、プールでの救助訓練が嫌でたまらなかった。教官の貞方は屈強な体格のスパルタ教師で、特に潜水の練習はきつい。本気で殺されると思ってしまうほどだ。
●第四話 敬慕
菱沼羽津希は、自分のことを初任科第百期短期課程のなかでも特別な存在だと思っている。広告塔として白羽の矢が立つのは、容姿に秀でている自分なのだ。
●第五話 机上
仁志川鴻は、将来の配属先として刑事課強行犯係を強く希望している。元刑事だという教官の風間には、殺人捜査の模擬実習を提案しているところだ。
●第六話 奉職
警察学校時代の成績は、昇進や昇級、人事異動等ことあるごとに参照される。美浦亮真は、同期で親友の桐沢篤が総代候補と目されるなか、大きな試練に直面していた。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『教場2』 の文庫版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
296
警察学校という厳しく始終緊張の解けないような場所で、教官風間の下で学ぶ生徒たち。学生はそれぞれ問題を抱えているが、風間の前では隠しきれない。厳しくときに労わる様子もありながら、風間の考えは掴めない。退校届を渡され条件をクリアしなければ記入する様に言われると、その学生は逃げ場がなくなる。果たして学生は風間の示す条件をクリアして卒業できるのか、それとも退校すべしと迫られているのか。授業は警邏に関わるものが多く、普通に社会生活を送ってきた人には分からないだろう、目から鱗の警官トリビアを聞くのも楽しみのひとつ。2025/08/30
ehirano1
243
当方は風間教官に逢いたくて教場を読んでいるようなものです。風間教官は今回もキレッキレでした。因みに、前作程のなんかこう居心地が悪いというかなんというか、まあそんな読後感(苦笑)はありませんでした。2018/09/09
茜
206
教場の続編。相変わらず鋭い風間公親。彼の一言一言が私の背筋をまっすぐにしてくれるようで小気味よかったです。2020/01/28
ノンケ女医長
191
入校する学生のうち、警察学校の実態を予め知っているのは、どれくらいの割合なのだろう。組織に馴染まない学生を選別し、はじき出す。冷静に考えると、非常に恐ろしい教育機関だ。あらゆる手段で揺さぶりをかけ、退校届を突き付ける教官の冷酷さが際立っていた。暴力的だし、専横的な教官に、射抜くような目で監視される若い巡査たち。読みながら、こんな学校からは一刻も早く撤退したいと思ってしまった。理不尽な暴力で退学し、6年を経て再度志願した、ある登場人物。警察への恨みを、地域の交番勤務で昇華してくれたらいいな。2023/08/12
イアン
151
★★★★★☆☆☆☆☆警察学校を舞台とした教場シリーズ第2弾。元医師の経歴を持つ桐沢は、引越の最中に警察手帳を紛失してしまう。発覚すれば即退校処分となる中、指導官・風間は桐沢の嘘を見抜き、盗難の可能性に言及するが…(「創傷」)。前作同様、一癖も二癖もある生徒たちの間で起きる事件を、風間が驚異の洞察力で見抜いていく。前作より事件のおぞましさは薄れ、冷酷さが売りだった風間の異能感も抑え気味になっている。取調べのテクニックが伏線となるなど随所に巧さは感じるものの、「日常の謎」レベルの事件が多く物足りなさが残った。2023/08/29




