内容説明
江戸から東京移行時代を描いた幕末維新絵図。
江戸が東京に変わると大名たちは国許へひきあげ、夜の街にはひと気が消えた。
傍若無人な浪人たちや錦旗を楯にして横暴な官軍。また幕府に殉じようとする老武士や函館戦争へ参じて帰らぬ夫を待つ若い妻など時代の狭間に蠢く人々が仔細に描かれる。
そんな折、市井の人となった鞍馬天狗は、ある夜、巡邏の者に襲われ、思わぬ事件に巻きこまれる。時代小説の名作「鞍馬天狗」から、評論家・鶴見俊輔が厳選した傑作シリーズの第3弾。
※この鞍馬天狗シリーズは12月まで5冊、毎月連続で発刊予定です。
なお、この作品は2000年に発刊された小学館文庫を底本とした電子版と同じ内容になっています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cogeleau
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明治維新となった直後の鞍馬天狗の後日譚。江戸は東京と改称され、徳川家は駿府に移り、旗本・御家人の多くはそれに付き従って移住した。人口は急減し、広壮な武家屋敷は荒れ果てた空き家となった。士農工商のうちの武士階級のみが失職するという社会秩序の大変動が起きた。その混乱期の明治元年の東京に、役目を終えた鞍馬天狗こと海野雄吉が若い書生たちと模索の日々を送る。武士の時代は終ったのだが、その先が見通せない混沌とした状況を作者は描いている。鞍馬天狗の活躍も、剣戟の場面もほとんどない異色作と言える。☆☆☆2023/10/15
でろり~ん
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絶品と思いました。これまで単にチャンバラ物と認識していた鞍馬天狗。だってさ、名前がさ、チャンバラ以外のイメージないですよ。三巻目にして時代はもう明治。ま、一話完結みたいな感じなんでしょうから、また江戸時代に戻ったりすることもあるのかもしれませんが。なんにしろ大佛次郎、はまりました。鞍馬天狗のイメージもすっかり変わりました。映画ではなく小説の天狗さんは、もちろん娯楽小説ではありながら、オットコマエな大人なのでありました。この巻のおぼえがきは、何とも素敵な内容でした。小説は素晴らしいと思わせてくれる一冊。2019/05/28
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