内容説明
「幽霊が見える」中学生の鞠子は、ある老女との出会いをきっかけにイギリスへの憧れを募らせ、二十歳でとうとう渡英する。 妖精を探した果てに見つけたのはグレンという名の青年。 二人の運命は大きく変わる──。 ほか、英国特別幻想取締報告局の幹部ハイド氏のパートナーであり、浮世離れした美貌を持つエルフ・エドワードの過去、幼少期のランスとの関係なども描かれ、少しずつ謎が解き明かされてゆく人気シリーズ第4弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
91
異質なものを排除しようとするのはどこでも同じなんだなあ。鞠子、エド、ランスそれぞれの過去に胸が痛くなる。このシリーズは妖精やエルフやゴーストなどがたくさん出てくるのに賑々しくならず、常に温度の低い感じが好きだ。カイの出番が殆ど無くて寂しかったけど、webでカイとランスのショートストーリーを読んで満足満足。次巻は「吟遊詩人 奪回」の話でありますように!2017/03/26
mocha
74
再読☆鞠子はなぜイギリスへやって来たのか?未来を見通すような言葉の真意は…。ノアの悲しすぎる過去、ランスの壮絶な体験。過去編の今作で、物語の根っこがとても理解できるようになった。カイとランスの友情は、ランスの生き方を大きく変えていくだろう。2018/05/14
アン
48
登場人物たちの過去編。鞠子、エド、グレン、ランスそれぞれの過去と現在の続きへの5本。前3作までの気になっていた事が明らかになってきました。鞠子とグレンの事、エドとハイドの出会い、ランスの幼少時代は勿論だけど、全員の過去の出来事に悲しくなった。彼らの過去の出来事が明らかになって、次はいよいよ・・・。続巻が楽しみです。2018/06/03
カナン
38
鞠子やエド、ランス達の過去を綴った短編集。あやふやにぼかされ消化不良気味だった部分が一気に鮮明になる第四巻。ひたすらに孤独な彼らの人生は何処までも寂しく、グレンの悲哀やハイドの温みがそれを一層「甘く」感じさせる。感情の起伏が乏しく見える彼らの、内面に秘められていた激情と苦悩を知ると、ひとりひとりがとても愛おしく感じられる。妖精の国から彼を無事奪還し、明るい陽射しが注ぐようなエンディングを期待しながら読了。綺麗なままではいられなくても、帰りたい場所に、帰るべき場所に、見つけた場所に、皆が辿り着けますように。2020/02/05
翔(かける)
33
シリーズ第4巻。鞠子、エド、ランスの過去編でした。圧倒的マイノリティであるが故の孤独感が共通している三人。第二の目を持っていながら妖精に好かれない鞠子、家族とは違う瞳の色をしているためにエルフ族から追放されたエド、取り替え児のために報告局でいじめられるランス。どこにも居場所がない、誰にも理解されない、そんな「甘い」寂しさを抱えながらも必死に生きる姿は、シリーズに奥行きが出てきておもしろかったです。2017/04/08
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