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内容説明
ナチス政権下のドイツ。血のつながっていない両親とのどかに暮らしていた少年フランツ・ノインは、ある日突然ナチスの襲撃を受ける。ナチスは密かにヒトラーの血を持つ13人の子供をつくり、ドイツ各地で育てていたのだが、何らかの理由で彼らの抹殺を決めたらしい。ノインを密かに警護する命を受けていたテオ・ベッカーは、ナチスを裏切り、ノインと旅に出た。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
72
ヒトラーの血を継ぐ子供たちが13人いる。そのうち神の子6番以外を抹殺し、総統亡き後の勢力図を描いている者がいるのだろう。ケルベロス役の守り人「壁」は総統からの勅命以外は従わない。総統の血を守るため党直属の部隊と戦う。戦国時代の内紛のようでもある。家系を絶やしてはならぬが、家督を継ぐのは一人しかいない。壁は白兵戦には不向きで抜きにくいし片手では支えるのが難しいロングルガーを振り回している。狭い場所で大勢を相手に暴れる時は、せめてサブマシンガンを持たせてはどうだろうか。これもタランティーノの系譜かなと感じる。2017/09/25
眠る山猫屋
44
高橋ツトム版〝ブラジルから来た少年〟。ナチス全盛下のドイツ、12人の総統のクローン。主人公は9番目のクローン・ノイン。そして彼を守るテオ。悲壮な逃亡劇が始まる。初期作品の濃厚な空気が帰ってきたかな!地雷震やスカイハイのような残酷なまでのリアリティーがヒリヒリします。まぁ日系人の守り人はちょっとやり過ぎ感もありますが。2019/05/31
thee birdmen
26
ナチス独裁の絶頂期、総統ヒトラーの遺伝子を受け継いだ13人の子どもたちにある日突然粛清の命令が下される。おどろおどろしくて、それでいて美しい高橋ツトムワールド全開でした。9番目の子どもノインは彼を見守ってきた壁と呼ばれる護衛のテオとともに逃走します。歴史の闇にもう一枚闇のフィルターをかけてみるトンデモ設定も、あながち無いとも言い切れない巧みなプロットです。こういう影のある世界観を描かせるとピカイチですね。絵の上手さに引き込まれます。2019/11/30
ぐうぐう
22
ヒトラーの遺伝子を受け継ぐ子供と言えば、誰もが『ブラジルから来た少年』を思い浮かべるだろう。その不利な設定をあえて選択するということは、高橋ツトムには勝算があるということだ。13人の子供のうち生き残った半数の子ら、彼らを守る存在「壁」、追うナチス。さあ、高橋ツトムの挑戦を見届けよう。2017/09/07
こら
18
1940年ドイツ。ある日、ヒトラーの12人のクローンに抹殺命令が下り、9番目のクローン、ノインの逃亡劇が始まる。とにかくアクションとサスペンスでテンポ良く物語が進み、ぐいぐい読ませてくれます。時代背景を写し取った様な暗いタッチも物語に合ってる。2019/09/14