内容説明
京都、下鴨――。慧に告白してから、関係がぎくしゃくしてしまっている鹿乃。そんななか、知人に若い男性を紹介される。佐伯稜一というその青年は、実は蔵の着物の関係者で、大伯母の椿柄の振袖について訊きたいのだという。該当する着物を蔵から出してきた鹿乃だったが、描かれた椿すべてが落花してしまい……? そして鹿乃と慧、ふたりの関係の行方は――?
目次
椿心中
月を隠して懐に
暁の恋
羊は二度駆ける
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
259
今回も4つの短編で、鹿乃と慧の恋の行方がとても気になる展開。鹿乃からの告白がうまく行かず空回りとなるが、3つの事件の背景が二人を後押しして、周りの人達の心遣いがとても優しい。四季の京都の美しさや閑静な自然の描写にはとても和まされるが、観光客が多すぎる最近の状況では、すでに違った風景になっていると思う。良鷹にも恋が芽生えそうな雰囲気でこちらも気になってしまう。鹿乃と良鷹はべったりの兄妹から成長して徐々に一人立ちいく姿に祖母の芙二子もほっとしていることだろう。2018/08/24
れみ
243
シリーズ6作目。紅白の椿の花が落ちてしまう振袖、猿が逃げ出してしまった鶴亀の羽織、地の黒い夜の闇が梅の花を覆い尽くしてしまう帯。今回も亡き祖母から受け継いだ鹿乃がいわくつきの着物にまつわる謎を解きつつ…着物に関係する人々の思いを知るなかで告白後にぎくしゃくするふたりの関係に置き換えていくようなところが今までの巻よりも多かった気がする。途中、鹿乃と慧の関係にボタンの掛け違いが起こっていってハラハラさせられたけどなんとか良い方向にまとまって良かった。初デートがとても初々しい♪2017/08/09
ひさか
195
2017年6月集英社オレンジ文庫刊。シリーズ6作目。4つの連作短編。 「羊は二度駆ける」は良鷹が怪異に巻き込まれ、祖母の着物に関係のないストーリーで、番外編のような感じがした。でも、アンティークに関わる話には違いない。今回も楽しめました。2018/03/26
ううち
168
第6弾。相変わらず素敵な装丁です。なんだかんだで嬉しい方向へ行きましたが、兄・良鷹の寂しさが切ない。 番外編の良鷹のお話にはぞくっとさせられた。次が最終巻?2018/04/27
カメ吉
143
すれ違いだった鹿乃の恋がようやく実を結び、兄の良鷹にも何やらイイ感じの話が出てきた。 いよいよあと2巻で完結らしいけどみんなにどんな未来が待ってるのか楽しみです。 でも、完結するのは寂しい気もします。京都弁がダイレクトでイイ味してるシリーズなんで終わるのは惜しいです。2018/09/18
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