内容説明
就職浪人2年目の白戸修(千葉雄大)は、超お人好しで気弱な性格。女の子からもまるで空気のように存在をスルーされてしまう、『モテナイ系男子』。ところが、幼馴染・黒崎仁志(本郷奏多)との再会をきっかけに、彼の人生は激変!なぜか「事件」からモテるようになり、次から次へと厄介な出来事に巻き込まれてゆく。【TVドラマ化作品】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
111
平凡な学生白戸修が巻き込まれるのはスリにステ看貼りに銀行強盗、そしてストーカー被害に最後は万引き。軽犯罪のみならず命の危機にも陥る受難男。巻き込まれながらも直面する犯罪の有様に白戸自身もどうにか犯人を捕まえたい、事件を解決したいという前向きな物に変わっていく。この頼りない主人公に好感を持ち始めるのだ。個人的ベストは「ツール&ストール」、「サインペインター」、「ショップリフター」の3編。次回からは社会人白戸修が事件に巻き込まれていくことになるのだろうが暖かい眼で見守ってやりたい。白戸修にはそんな魅力がある。2014/06/25
takaC
87
なるほど。巻き込まれ(てばかり)型の主人公というジャンルに分類されるわけね。2013/07/03
りゅう☆
81
大学生白戸に様々なトラブルが降りかかる。殺人容疑で疑われた友人が訪ねてきて潔白を証明する為に元刑事とスリを追う。ある時はケガした友人の代わりに引き受けた一晩のバイトが違法で警官に追われたり。1万円引き出すだめに銀行に行ったら銀行強盗のトラブルに巻き込まれ人質に。間違い電話からストーカー被害女性を守ることになったり。万引き冤罪でなぜか万引き保安員の仕事をさせられたり。お人好しの性格が命の危険をももたらす結果に。しかも名探偵の如く謎を解きだす。笑えるような笑えないような。でもどれも心温まるようなラストに安堵。2021/12/01
セウテス
80
白戸修シリーズ第1弾。ミステリでは数少ないが、白戸修は巻き込まれ型探偵であり、そもそも何が起きているのか(ホワットダニイット)の謎解き作品とも言えます。よくまぁこんなに災難に巻き込まれる人が、居たものだとある意味感心してしまうが、ミステリの設定としては物凄く面白い。中野区JR中野駅を起点に、スリ、違法バイト、銀行強盗と次々と巻き込まれ、その中で謎を解いていく全5話の短編集。キチンとヒントも伏線も在り、一捻り二捻りしなくてはならないが、この様な謎解きもたいへん楽しい。読後感はほのぼの、何とも気持ちが良い。2017/10/24
sin
67
世の中には“お人好し”とか“ばか正直”といった人たちがいる。彼らはその心のうちに“損得勘定”に毒されない、揺るぎない価値観を持っている。主人公の白戸クンは清々しいほどに真っ直ぐな、優しい青年である。推察どおりの捲き込まれ安いお人好しである。その為なのか、まるで犯罪のお仕事訪問のような様々な体験が待ち構えているのだ。泣くな、変わるな白戸クン!2020/01/28