内容説明
中越・永生藩の山村から、奇妙な男が江戸に送り込まれた。無垢な心を持ち、鷹のように一瞬に獲物に止めを刺す、森で育った忍びの者、西上幻影。北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵は相次ぐ豪商の不審死を調べるうち、ある腹黒い商人と永生藩国家老周辺との癒着に気づく。巻き込まれる誇り高い鷹、幻影の運命に、七蔵はどう立ち向かうか。傑作シリーズ第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
81
夜叉萬同心3作目 2017.05発行。字の大きさは…小。 北町奉行所隠密廻り方同心・萬七蔵は、7才の健太を使い楊弓賭博で稼ぐ湯島の白梅こと、お辰が寺社奉行小検使・能瀬幸四郎を殺した事件。 旗本・疋田豪軒の元家士・河野佐治兵衛は、豪軒の息子・藤軒の身代わりとして10年八丈に遠島になっていた。赦免により帰ってきて、家族の面倒をみる約束が反故にされていた。佐治兵衛は、藤軒を尋ね殺される。娘3人が敵を討つ。 中丸屋の指示で永生藩の西上幻影が笹井屋太左衛門、室生屋利三郎を殺し大樽屋を襲う事件を解決する。2019/09/30
はにこ
29
親子の縁が描かれた今回、2話目の三姉妹が救われた話がとても良かった。幼い兄妹の結末もよし!でも幻影が可哀想だった。幻影を救う手は無かったのか。音三郎はすっかりメンバー化している。しかもどんどん手練れに。好きなキャラなので今後も活躍してほしいけど。2023/02/20
ぶんぶん
21
【図書館】夜叉萬シリーズ・三巻目。 だんだん「夜叉萬」の性格が判って来た。 「風の市兵衛」の「鬼渋」の原型では無いだろうか。 剣の達人というところが、全然違うが。 さて、短編3編は様々な親子の情景を描き出す。 しかし、最後の極悪は裁きをお上に任せる、というのは荒唐無稽では無く、ある程度現実的にそっている。 「夜叉萬」の世界観が判って来たので、もうしばらく、浸っていよう。 次は「藍より出でて」だ。2021/02/04
蕭白
9
鏡さんがどんどん強くなっていく気が・・・。主人公の揺らぎない姿勢がカッコイイです。2021/05/22
はかり
8
今冊は漢字が多いものの読みやすかった。いくつかの話が連続連携しており、夜叉萬や音三郎の活躍も目立った。それにしても山の忍者、幻影は哀しかった。いつ登場するのかと思っていたが、最後になって夜叉萬と音三郎に撃たれてしまう。2018/03/10