内容説明
武蔵こと弁之助、十一歳。二刀流完成を目指し鍛錬を重ねる毎日。ある日、不意の衝動から野犬を打ち殺す。拡がる血溜まり。えも言われぬ光輝に包まれる。高揚し充足した心持ちだ。
「命とは、光か」だがすぐに首を振る「わからん」
剣術を巡る懊悩の一方、弁之助は強烈な性の覚醒に乱される。美貌の美禰、義姉のおぎん……欲望のまま女体を貪るさなか、彼方に武が閃く。
武とは、性とは、殺とは。剣豪の青年期をかつてない視点で描く傑作大河小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかんべ
6
エロ度が少ない花村作品もあるので期待したが、これは溢れんばかり。一巻からこうであると後読み続けるのは心配になる。2015/10/15
kaori
5
「武蔵」繋がりで読んでみた。11歳~の話。この時代の常識が説明されていたから何とか読み進むことが出来た。2014/06/18
terukravitz
3
図書館本 ★★★★☆2017/07/02
ハル
2
あまりに大人びていて錯覚する。故に像を結び難い。装丁を矯めつ眇めつしてみるも何か違う。大人とか子供とか、男とか女とかじゃない。ここに在るのは人間宮本武蔵。面白い。凄い引力だ。人を吸い寄せて離さない。天から与えられた才。大きな器。−なぜ、俺はここに在るのか。そうして存在理由を探し哲学の道に迷い込むのが人間の定めなのだろう。大きな器を与えられた者ほど茨の道を行く。そこを歩める力があるからだ。成長していく武蔵がどんな境地に至るのか。次巻が楽しみ。2015/06/28
Shishu_ya改め刺繍屋
2
吉川英治氏の宮本武蔵とは全くの別物ですが、花村萬月さんらしくて面白かったです。続きが気になりますね。2012/01/16