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内容説明
時を定めて海のあなたから来臨する神「まれびと」の聖なる言葉である「呪言」に、日本文学の発生をみた折口。そのアプローチは、「民俗学的国文学研究」として、新たな道を切り開いた。核をなす「国文学の発生」について論じた四篇を所収。「言語」に執着し、日本語の発生を探るために朝鮮語、モンゴル語、アイヌ語までを学び、「新しい国学」を興すことを目指した折口の、希有な日本文学発生論。
解説・長谷川政春/安藤礼二
【もくじ】
国文学の発生(第三稿)--まれびとの意義
国文学の発生(第一稿)--呪言と叙事詩と
国文学の発生(第二稿)
呪言の展開、巡遊伶人の生活、叙事詩の撒布
国文学の発生(第四稿)--唱導的方面を中心として
呪言から寿詞へ、叙事詩の成立とその展開と、語部の歴史、賤民の文学、戯曲・舞踏詞曲の見渡し
解説 折口信夫研究 長谷川政春
新版解説 ホカヒビトからマレビトへ 安藤礼二
収録論文一覧
著者略年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
16
国文学者・民俗学者・歌人としても著名な折口信夫の代表作の一つ。本巻は文学は如何に発生したのか、民俗学的観点から検討している。折口は、共同体の外からやってくる神(まれびと)が土地の精霊に命令を下して、人々の幸福と豊かな生活を約束させる、その神の言葉が人に憑依して人の口から語られる。その人は決まっておりそれが職業となって語り部となった。語り部から発せられる言葉は歌のような節を伴っており、それが「文学」となったと指摘している。有名な説だが、折口の文体は独特でなかなか理解し難い点もある。2021/03/26
roughfractus02
8
朝鮮語、アイヌ語、モンゴル語を学び、言語学的視野から民俗学に臨んだ著者は、文字に声の情調にを聴くように言語を捉える一方、文字化された歴史にも意味以前の次元を見出した。この方法は自らが言語以前のものを言語化するシャーマンとなることで可能だ。J・キャンベルの「出発-冒険-帰還」の物語構造を重ねると、著者は「まれびと」がこの世界に到来して去るという貴種流離譚として構造化したと言える。その際言語になりたての呪詞が叙事詩となり、語り部の声で物語化する過程に「国文学の発生」を捉え、「賎民の文学」にもその構造を見出す。2025/03/12
∃.狂茶党
8
いきなりまぜっ返すのだが、はじまりがまれびとの預かった神の言葉であるとして、再話の過程でパロディ、二次創作が行われたはずであり、それは記憶違い、言い間違い、感情の暴走といった無意識的なもの、うちなる神のなせるものであっただろう。 本題に沿っては新旧二つの解説が、その影響を受けずに何か書くのは難しい。 (もちろん受けていいのだが) トリックスターの概念は、折口には乏しかったのか、ふざけるってことも知ってたようであるが、何やら生真面目だ。 すべての詩人はまじめぶってるだけではないのか? 2022/08/10
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