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内容説明
「鬼の話」「はちまきの話」「ごろつきの話」という折口学のアウトラインを概観できる三編から始まる第三巻。海・山の民が、里の生活と関わりながら、舞や踊り、文学さらには信仰にいたるまでその文化を発展させていったことなど、柳田民俗学と一線を画す論が興味深い。その後の研究のもととなった「三郷巷談」「まじないの一方面」「方言」ほか、天皇の即位儀礼に関する画期的論考「大嘗祭の本義」も所収。解説・加藤守雄/安藤礼二
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう
22
WS参加のための副読本。折口作品は何度か読もうと挑戦したのだけれど、毎回途中から言葉が像を結ばなくなって、置いてけぼりなまま文章の美しさだけを眺めて終わってしまう。歯が立たない、という読後感。今回はこの本と、補助線のために安藤礼二「折口信夫」を並行して読み進めた(面白いけどこっちはまだまだ読み終われそうにない)今回も決して折口の見ている古代を幻視できたわけではないけれど、WSが楽しすぎたので満足。少し、爪の先っちょくらい、折口に食い込めた感触。読めなかったものが読めるようになっていく喜び。読書の醍醐味。2019/09/27
∃.狂茶党
7
天皇を敬う國學院大学の人でも、国家為の神事への欺瞞は感じていたのだ。 また、天孫族(不明)と同じ頃か、それに先んじて、朝鮮や中国の人がこの島に来て文化を伝えているであろうと推測しているのも興味深い。 天皇にまつわる行事に、中国などの渡来文化は分かち難く絡まっている。 折口はそれを分とうと試みてるが、事実上無理だと、折口の文自体が証明してる様に思う。 天皇について、昭和初期に思い切った分析をしているのだ。 性と共に食も語られ、それは遠く『魔獣戦線』のあの美しい結末を想起させる。 2022/05/02
roughfractus02
6
出身地大阪の被差別部落との交流や嫁盗み(結婚しないシャーマンとして育てられた女性の存在を仄めかす)習俗を記述した著者初めての民俗学的研究「三郷巷談」を収めた本書は、歴史学の客観記述から排除されるシャーマニズムの痕跡を日常の習慣や鬼や雛祭りにまるわる昔話から神道の儀式へ辿り、さらに大嘗祭に及んで、その振る舞いに大陸渡来の痕跡を見出そうとする。国家や民族なる歴史概念を用いて枠づけを試みる著者だが、そこからはみ出る習俗や儀式の根底にそのような枠付けを超える外部からの客人(マレビト)との交流のビジョンを見ている。2025/03/10
あかつや
3
〇〇の話各編から始まって神道・天皇が執り行う行事について等。解説によるとこの巻は原本では最終巻の前半部分で、折口独自の古代学の結論部分に当たるとのこと。今までの感想でも書いてきたけど、やっぱ言葉に対する感度の鋭さだなあ。ある言葉の音をつかまえて、そこから一挙に古代へと飛ぶ発想の力強さは、まるでミステリーの名探偵の閃きのよう。今回収録の論で特にハッとさせられたのは「神道に表れたる民族論理」と「大嘗祭の本義」だな。これは天皇関連の論文だけど、「みこともち」の概念は衝撃的だった。これからは見方が違ってくるなあ。2023/04/14
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