内容説明
「人間が自分で生み出すものは、何ひとつない――ひとつの意見でさえも、ひとつの考えでさえも、生み出すことは、できないのだ」米文学の巨匠トウェインならではのユーモアと鋭い洞察で人間の真理を暴く、最晩年の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
86
【マーク・トウェイン誕生日読書会’19】図書館で手に取った本が、この本。若者が老人と論ずる。最晩年の作品らしいが、若者は、若き頃のトウェインか。人間は機械で外部からの情報で成り立っている。人間の行動は、すべて自己満足。確かに、私も自分の頭の中に吸収されたものからしか発想出来ないと思っている。ある年齢になってこないとこの論は理解出来ないかもしれない。2019/11/23
はたっぴ
85
先日読んだ『不思議な少年』が心に残り、こちらも手に取った。美少年サタンと少年のやりとりが、ここでは老人と若者との対話形式で語られており、改めて著者の哲学的思考を覗き見ることが出来た。この世に生きる動物も人間も全ては単なる機械だというトウェイン。世の中のあらゆる善行は自己満足のためだと言いきる老人に心の闇を感じつつ、印をつけた箇所は数知れず、前作同様に魅力的な作品だった。昔、職場でボランティアをしたら〝偽善〟と言われて落ち込んだのだが、ここでの論理に当てはめるとなるほどと頷ける。読めてよかった一冊。2017/12/24
マエダ
68
カートヴォネガットが「国のない男」で”マーク・トウェインとエイブラハム・リンカーンはいまどこにいるのだろう。いまこそ必要なときだというのに。”言葉の意味が今わかる。本書では自分的には若者を応援していた。アメリカ最高の文学と評されるハックルベリー・フィンの冒険に掛かろうと思う。2018/09/23
Kawai Hideki
59
人間は機械なんだぜ、というちょっと斜に構えた視点で繰り広げられる若者と老人の議論。まあ、どっちでもどうでもええですわ、というのが感想。2017/07/30
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38
この論文、自分の中では、もう題名すり変わって『マーク・トウェインとは?』に成りつつあります。米文学の巨匠。ユーモアの人と呼ばれた彼が、最晩年に何故こんな悲観論を書いたのか。。それは人間と国と国民への批判。まさしく絶望的な世界。この書籍を書くに当たり25年以上マーク・トウェインはこんな事を考えていた。この人生は悲しいと思えてしまう。しかし、その鋭い洞察力と人間の心理の追及に唸るばかり…否定の言葉が出てこない。('';)完訳ですので、より一層、彼の思考に近づける気がします。癖のあるこの書は頭に残ります。2023/03/07
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