角川文庫<br> トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー

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角川文庫
トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー

  • ISBN:9784042142089

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内容説明

アメリカ人ハンクが昏倒から目を覚ますと、そこは中世アーサー王の時代だった! 現代科学の知識で魔術師マーリンに対抗し次第に王宮での地位を固めていくが……SF小説の元祖とも呼ばれる幻の名作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

207
アーサー王の時代に紛れ込んだ男の 奮闘を描くタイムスリップ物だが、 軽快な筆致が楽しい。19世紀から紛れ込んだ ハンク・モーガンの視点で 描かれる アーサー王の時代の人々が素朴で微笑ましいのだが..著者の意図はどこにあるのだろう ..異端児の乱入により 人々の意識が 変革していく様は 著者の好む題材なのだろうか? 時代の風景を感じるには よい本だった。2017/04/06

ヴェネツィア

95
マーク・トウェインにこんな作品があるのを知らなかったのだが、朝日新聞の読書欄の紹介で知った。本屋さんでタイトルだけを見たなら購入しなかっただろう。構想は、なんとなく『ドン・キホーテ』を思わせるもの。痛快と言えば痛快だが、筆者の主張がダイレクトに語られ過ぎている点は、物語としての妙味に欠けるか。正直に言えば、中盤以降はやや退屈かな。2012/03/23

ずっきん

86
元祖SF、異世界転生、痛烈な風刺、ガーディアン必読1000、と様々な冠を持つ作品である。現代の読者にとっては、150年前のヤンキーが、15世紀に編まれた6世紀を舞台とするアーサー王の物語にぶち込まれるという、入れ子感がさらにお得。インフラ整備に火器製造、オレTUEEEの文句無しエンタメを楽しみつつも、真骨頂は人権向上を目指すハンクに立ち塞がる、貴族から奴隷にいたるまでの人々のリアリティだ。南北戦争を経た著者の、コンチクショウ!って悪態を聞きながら、あくまで暑苦しく展開するところが、米文学好きにぶっ刺さる。2020/12/07

扉のこちら側

80
2016年102冊め。【124/G1000】19世紀のアメリカ人が、6世紀にタイムスリップする。6世紀と19世紀の違いとともに、19世紀の人間の物語を21世紀の人間の視点で読むという二重に時代差を感じるおもしろさ。発表当時はタイムスリップ物の作品などなかっただろうしさぞ目新しかっただろう。SF作品ではなく、英国の階級差などの社会構造や宗教に関すること、アーサー王伝説などを予備知識として知っているとより楽しめる。2016/02/15

NAO

55
タイムトラベルもの、SF小説の元祖ともいわれているこの作品は、当時の一つの価値観に凝り固まった社会を痛烈に批判した風刺小説なのだそうだ。さらに、マーク・トウェインはウォルター・スコットの中世騎士世界を舞台にしたロマン小説が大嫌いだったから、それをけなしたかったのかもしれない。この話を気に入るかどうかは、後世の文明の力で過去を勝手に変えてしまっていいのか、そういったヤンキーの傲慢さが気になるかどうかで分かれるのではないだろうか。私は、あまり好きではなかったし、格差や差別を批判しているとは言いながら、⇒2017/01/17

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