内容説明
ある日突然村に現れた44号と名乗る少年には、並外れた腕力の他に、他人の心を読み、時空を旅するという信じられない能力が隠されていた。同名異本も存在するが、本作はトウェインの手による決定版の完訳!
※本作品は一九九四年六月、小社より刊行された単行本を改題の上、文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白のヒメ
52
ある印刷所にみすぼらしい少年が現れる。誰に何をされても怒らず逆らわず、そして最後にはあらぬ疑いをかけられて火あぶりの刑に処せられるが・・・。物語の前半はファンタジックで、少年は未来から来た宇宙人か何かなのかと思っていたら、後半の怒涛の展開で一気に少年の言葉を借りてトウェインの宗教観やら宇宙観が展開される。「この世界の全てがある一つの存在の意識にしか過ぎない」というような考えは非常に共感できるし、これこそがまさしくすべての宗教に通じるものではないかと思うので非常に感心して読み終わった。G75/10002016/03/22
たー
16
マーク・トゥエインの生前未発表作品。推敲されてないが故か(?)話がうまく繋がっているようないないようなというところがあるものの、後半怒涛の展開でなかなか面白かった。2018/11/06
記憶喪失した男
15
1916年のトウェインの長編SF。時間移動もの。最後のオチは読む価値あり。 2017/07/30
きょん
14
英ガーディアン紙のリストからの一冊目。トウェイン没後に発見された作品。15世紀のオーストリアの古城の中の印刷所で働くアウグスト。その印刷所に不思議な少年がやってきて、様々な出来事が起こる、と言うとファンタジックなのだが、この少年は過去や未来を行ったり来たりしていると言い、まだ発見されていないアメリカ大陸の風物をアウグストに与える。魔法使いが存在し、信心がまだ人の規律として機能しているこの時代を痛烈に批判しながら、最後は消えてしまう。トウェインの他の作品からはイメージできない、ペシミズムに満ちた作品だった。2015/07/07
ふう
11
【ガーディアン必読小説1000冊】#113 訳者あとがきによると、物語と同様にこの書物自体にも『本物』と『複製』の“不思議な少年”が存在するとのこと。本物の『44号』が80年も後で出現したという不思議な話。どちらが本物なのか、もうひとつの『不思議な少年』も読んでみよう。2017/07/19
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