内容説明
ひょんなことから白猫となった旗本の跡取り・宗太郎は、善行を積めば人の姿に戻れると信じ、裏長屋で「猫の手」を貸すよろず請け負い稼業を営んでいる。忍法ならぬ「にゃん法」の秘密を探ったり、猫の駕籠かきと遭遇したり。そんな宗太郎の前に人の姿だった頃の許嫁がやって来て――。それがしは猫ではにゃい。風体はもののけでも、心はもののふ。大人気あやかし時代小説、猫の手屋繁盛記シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪風のねこ@(=´ω`=)
131
表題に小林一茶の俳句を持ってき宗太郎と許嫁を描いたり、火車の担ぎ手である猫の妖怪を駕籠の担ぎ手として怪談を描いたり、中々凝って味わい深い物語として仕上がっている。愛情ってのは受けるだけでは人を育てさせず、他人に与えることによって初めて人(猫?)は成長できるのだ。猫の手屋稼業の真髄と見た。琴姫は猫太郎先生を許嫁と見抜いたようだ。あらあらあらかしこだわね。購読決定。2016/11/05
mocha
98
巻を追うごとに読みやすくこなれてきた気がする。猫先生もだいぶ丸くなったなあ、猫だけに。でも気の利かせ方は白猫の桃ちゃんの方がよほど上級者。色恋に鈍すぎる猫先生だけど、琴姫の元へ早く帰ってほしいものだ。あといくつ善行を積めば人間にもどれるのかな。四巻も読まねば。2018/01/23
ふう
75
猫の手屋シリーズ3作目。百の善行を積むと人間の姿に戻れるという、わけあり猫の修行物語です。かたかった頭もたいぶ柔らかくなってきました。男女の恋心も少しだけわかってきたようです。毎回思うことですが、周りにいる人々が、姿形ににとらわれず、宗太郎の人となりを見て接してくれるおおらかさ(大雑把さ?)が好きです。2018/10/13
爽
57
にゃこうど(仲人)か。せっかく2匹で頑張ったのに、結果は残念なことになってしまったなあ。でも、とにかくかわいい。その気がなくても揺らいでしまいそう。猫先生、だいぶ色々手助けをしているような気がするけど、まだ足りないんだろうか。ご両親のためにも、許嫁の琴姫のためにも残念だけど早く戻ってほしいような気もする。2020/02/02
ゆきちん
55
シリーズ3作目。「いえ、私は猫太郎ではありません。」繰り返される律儀なツッコミがリズムを産んで、巻を重ねるごとに読みやすく面白くなってきた。今回は他人と自分の恋の話が入った3本。真面目な宗太郎が人間に戻れるのか、いい加減な猫又との約束がとっても疑問だけど、その日が来るまで読むかも。2018/02/24