内容説明
とある事情で白猫になってしまった旗本の跡取り、宗太郎(通称:猫太郎)。裏長屋で営むよろず請け負い家業「猫の手屋」に舞い込む依頼は、猫供養、仇討ちの見届けなど、一癖も二癖もあるものばかり。すべては人の姿に戻るため。役者の雁弥、絵師の国芳ら、個性豊かな面々に囲まれて、今日も奇妙奇天烈な猫のサムライは善行を積む。泣いて笑える大人気あやかし時代小説、猫の手屋繁盛記シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪風のねこ@(=´ω`=)
127
宗太郎がソワソワして鼻の頭をペロリと舐める仕草が思い浮かんで知らぬ内にんまりしてしまう。佐内が忠犬に豆腐田楽の味噌を拭って食べさせるのって良いなと思った。敢えて自分と同じものを食すことで絆の深さを描いている。市井にもまれ、猫嫌いも治って行く事から随分、宗太郎も成長したものだとホッとする。それ以上に田楽(猫)の行く末も楽しみだなぁ。2016/10/08
mocha
110
1巻に較べて ぐんと読みやすく面白かった。「ねこのうわまい」猫太郎先生のおぼっちゃまぶりにやきもき。丁度 歌川国芳の猫好きを読んでるところに、テレビで「猫飼好五十三疋」が紹介されて嬉しくなった。捨て身の大芝居、紅葉ハゲがおかしい。「老骨と犬」忠義の犬・まるが最高! 「晩夏」猫と距離を置こうとする猫太郎も仔猫の可愛さにメロメロ。百の善行も、数を数えられないんじゃ前途多難だなぁ。2017/07/23
小梅
109
猫の手屋シリーズ2作目。鰻が食べたくなった(笑)今回は犬も出てきた♪まるは賢い犬だった。でもやっぱり田楽が可愛かった(=^ェ^=)2018/02/25
ふう
88
妖怪もの?ファンタジー?いやいや、これは宗太郎の成長物語ですね。猫の姿をしているけど、ちゃんと宗太郎の中身を見ていてくれる周りの人たち。彼らの言葉は軽いようだけど深い。人も猫も(犬も)、武士も町人も、みなそれぞれに事情を抱えているけど、お互いを受け入れれば生きやすいってことでしょうか。田楽がかわいい。2018/07/07
爽
77
出張のおともに。新しい、かわいい仲間が増えてとても癒された。田楽、ずっと猫先生と一緒にいてくれたら嬉しいけど。それにしても、猫好きな人たちばっかり。犬派としてもこれだけ猫まみれだと犬も猫もかわいいな、と思えてくる。今回でいくつ善行を積んだんだろうか。7つ以上数えられる猫が現れないと、いつまで経っても宗太郎に戻れないのではと心配しているところ。2019/11/23