内容説明
殺された兄に代わって実家を継ぎ、勘定奉行所勤めの武士となった角次郎。
兄の遺した証拠から真岡代官所にまつわる不正を暴き出した。
だが、探索の手が自分にまで伸びることを恐れた、上司で勘定奉行の大久保忠信の仕組んだ罠により、角次郎は蟄居を命じられてしまう。
さらに大久保の執拗な奸計は家族にまで及ぶ。
〈このままでは夫がお役御免となってしまう〉。
夫・角次郎の窮地を救うため妻のお万季は敵地――大久保の妻が主催する茶会――に乗り込むが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
28
不正を探る角次郎を疎ましく思う大久保派。角次郎の過失を突っついて排除しようとする。それを今度は猿島茶の不正を見つけて武器にして戦う。万季も武家の婦人会に出てシカトされたりするけど、しっかり勢力図を見てくる。大久保の手足がもげてきた。次は本丸退治かな。頑張れ五月女家!2021/02/27
ベルるるる
28
兄を殺した悪の手は大黒屋にも伸びてくる。娘はさらわれそうになり、守ろうとした義父や義母は大怪我を負う。そして五月女家を継ぐ覚悟の息子の善太郎の頑張りに涙。兄の残した言葉「裏切り者」にはまだ辿り着けない。いよいよ次巻かな?2017/03/21
葵
27
米屋の入り婿となった元侍の角次郎。このシリーズでは、兄を亡き者にした者らを探るため、五月女家の当主となっています。とはいえ、大黒屋のこともやらなくちゃいけないし、昼は侍、夕方からは髷を結い直して若旦那に。大変そう…。不正は着々と暴かれていきます。あとはラスボスの黒幕を残すのみ。このお話では米作りや流通、水運について面白く読んできたけれど、今回は茶葉の話も出てきた。次巻で兄の仇討ちが終わってまた商いの話になるかな。前回、名主となるべく帰っていった番頭の松太郎が全く出てこなくて寂しい。また出てきてほしいです。2024/04/09
ひさか
8
2016年11月角川文庫刊。書下ろし。シリーズ8作め。角次郎と皆の活躍で、悪いやつらに一矢報いる。痛快で拍手喝采です。首魁が残りましたが、次巻で決着するのかな?!。2017/02/15
Totchang
6
まだ仕返しは終途上なのですが、「10倍返し」に比べるとちょっと物足りない仕返しです。次回は獅子身中の虫をどうするのかと楽しみです。2017/01/31