内容説明
「ハイ、救命センターの当直です」「24歳の女性なんですが、眠剤を多量に飲んで意識がないんです」「わかりました。すぐ搬送してください」消防署からの依頼である。救命救急センターの電話は、途切れることがない。死ぬか生きるか24時間態勢で取り組む救命救急センターの若き青年医師と、看護婦、そして患者が織りなす、心温まるドキュメンタリー。
目次
はじめに
I(卒業
再発
心臓神経症
病理検査
外妊
肝転移
呼吸困難
スキルス
過換気症候群
内視鏡)
II(配置転換
自殺
暴走族
子供の日
スーパーマン
処置婦
新人類
教育係
理不尽
酒酔話)
III(贈る言葉
休憩室
ヒステリー
ICUシンドローム
わがまま
本心
ダダッ子
母親
罠
堂々巡り
タケシとアキラ
マニュアル
幻想
悪心
ボケ
おじいちゃん子
五月の風
溜息
五周年
予感
今年こそは
メッセージ
ベテラン――あとがきにかえて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
92
「日常という深い穴」という言葉に考えさせられた。病院の救命センターは、一刻を争う現場。そこに勤める医師のエッセイ、というからドラマチックさを期待してしまうが、現実は想像を超えている。ドラマの方がむしろ生やさしいというべきだろう。もしも立場が変わって、ここに紹介されたような例に出くわしたら、果たして事態を冷静に判断できるだろうか。心が温かくなる話もあるが、同じ程度に気がめいるような話もある。そしてそこから逃げてはいけないのが、医療当事者の役目。そのおかげでぼくらの命が救われているということを痛烈に感じた。2021/07/02
zero1
83
患者も医者と同じ人間。不完全な人が正解のない医療の世界で悩み、患者のために何ができるか問い続ける。老いた末期がん患者の自殺を止めるのは意味がある?生と死が隣り合わせの救急救命には人間ドラマばかり!著者は最前線で看護師や後輩の医師、時には患者にも怒鳴り散らす。本人も明かしているが厳しい批判の手紙も届くのだという。「自分で考える」ことの大切さ、「相談するときは答えが出ている」「心が不全」など名言多し。死が避けられない患者にどう対応する?「看護婦」と「処置婦」の違いは何?本音で生きているから本書は支持される。2020/04/05
そる
83
多分高校か19くらいかで読みました。医療系目指していたから、こういう本読んだんですけど、いろんなドラマあっておもしろかったですよ。患者として来る人は、一人の人間ですよね。内容忘れちゃったんで機会があったら再読したいです。
はつばあば
59
この本はお医者さんと看護婦さんの話。今は看護師といいますから24年も前の本・・。いつの時代も変わらない生と死。若い人にはとても必要な救命センターと思いますし、できる限りの治療をお願いしたい。大正末~昭和初期に誕生した人達の生命力の強さが、今の若い人たちにあるかしら案じております故。でも、もう70近くなった者には選択権を与える世にして欲しいです。本音と建て前は人それぞれでしょうが・・。昔なら家族も多くて徘徊や~となっても誰かがいた。核家族の今、淋しい老後なら施設より懐かしい人々の集まるあの世たらで暮らしたい2016/05/25
けんちゃん
28
読友さんのご紹介本…だったと思うのですが。命の現場に働く医師と看護師の本音トークや、日々の雑感をストレートに描いたエッセイ。当たり前のことですが、患者が医師に対して様々な思いを持っているように、働き人たちもまた、患者に対して様々な思いを持っているし、同じような症例を扱っても決して同じではない。不謹慎に見えても、最悪の結末だったときに、冗談のひとつも言わなくてはやっていられない、という言葉に患者を人として大切にとり扱う真摯な姿を感じました。2012/10/03
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