内容説明
前作から10年。プラムフィールドは大学に、子供たちは個性的な紳士淑女となり、プラムフィールドから巣立っていった――。四姉妹から始まった壮大なマーチ家の物語が、ついに迎える終幕。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
106
プラムフィールドから巣立っていった子供たちやマーチ家の親族たちのその後が描かれる。子供たちに様々な忠告をするジョーの姿は在りし頃のマーチ夫人の姿に重なるが、世代が変わっても人生の分かれ道で子供たちが見せる思考と判断に良心はしっかりと根を下ろしている。特にダンの自己犠牲的な生き様は一作目のベスを彷彿とさせる。『乙女らにかこまれて』では当時における女性の社会的立場に対する意見や変化が語られており、著者の文学的嗜好も窺えて興味深い章になっている。変わるべきことと、伝えていって欲しいことが綴られたシリーズ最終章。2021/05/19
はるき
20
贅沢なオマケみたいな第四部。シリーズを通して清い世界観だが、全員がハッピーエンドにはならない・・・・。四姉妹それぞれのその後と子供達に受け継がれる新世代。子どもたちの姿も眩しいが、やはり四姉妹の方が好きだな。新しい時代を生きる若者へのメッセージとも思える名著、寂しいが見事な結末である。2016/02/26
崩紫サロメ
15
シリーズ最終巻で、遺作となった作品。前作からは作中で10年の時間が経過しており、子ども達も10代後半から20代前半に。印象的なのが不良少年だったダン。更なる苦労をかさね、傍目には幸せそうには見えない生涯であるが、ジョーが「悔い改めた罪人がひとりいるということは、たくさんの聖人がいるよりも、ずっと 悦ばしいこと」という通りだと思う。誰よりもキリストに近付いた人だったと思う。(レ・ミゼラブルのジャン・バルジャンと重なるところがある)2020/07/10
いっちゃん@彼氏募集
13
第四巻も、面白い😊何巻でも、絶対に面白い〜結構、勉強になる本だよ〜2024/10/15
北風
13
プラムフィールドの最初の子どもたちが巣立っていった、第二部なのだが、子どもたちも自分たちの生活があり、枝葉が広がる物語は葉陰に隠れて見えないものもある。それぞれのエピソードは用意されているけれど、ちょっと物足りないなあ。一人ひとりに人生があってもっと多くの時間がかかっているのだが、ああ~、もったいない。成功した子もあれば、失意の子もいる。もちろん、それは仕方がない。マーチ家にも幕が下りる。もっとと思うのは良質な物語ということ。ああ、しかしジョーとベア先生の晩年も読みたかった。2022/01/21