出版社内容情報
2015年大河ドラマの主要人物・高杉晋作。吉田松陰の志を継ぎ、旧体制を破壊し、激動の時代を「面白く」生きた稀代の風雲児の生涯!
【著者紹介】
作家
内容説明
吉田松陰門下の逸材として久坂玄瑞と併称され、奇兵隊の組織などで長州藩を倒幕の中心に押し上げた男・高杉晋作。「おもしろきこともなき世をおもしろく」と辞世を詠んだかれの胸中とは?足かけ29年の短い生涯のなかで、高杉は自分で面白いことを仕掛け、いかなる危難にも毅然と対峙した。幕末屈指の英雄の生き方とその思想を現代的な視座から描く歴史小説。
著者等紹介
童門冬二[ドウモンフユジ]
作家。本名、太田久行。1927(昭和2)年、東京生まれ。東京都立大学事務長、東京都広報室長・企画調整局長・政策室長などを歴任。1979(昭和54)年、美濃部亮吉東京都知事の退任とともに都庁を去り、作家活動に専念する。『暗い川が手を叩く』で第43回芥川賞候補。1999(平成11)年春、勲三等瑞宝章を受章。日本文藝家協会会員、日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
95
おもしろきこともなき世をおもしろく。この言葉が好きです。その胸中とはどのようなものであったかを凝縮していますね。松陰先生の意志を継いだその半生は、面白いことを仕掛けた狂人であり、いかなる危機にも毅然と対峙した冷静沈着な人物でもあったことがわかります。その行動は全て自らの意思で行ってきたというところに惚れずにいられません。忠誠心と時代を見極める力が高杉さんを幕末屈指の人物に作り上げたのだと思います。奇兵隊を率いた倒幕の男。その生き様は矛盾という魅力であふれていました。2016/06/10
優希
62
「おもしろきこともなき世をおもしろく」の言葉が好きです。高杉晋作の辞世ですが、これを詠んだ彼の胸中はどうだったかに興味を持ちました。松蔭先生の門下の逸材とされ、騎兵隊を倒幕の中心に押し上げた力はとにかく凄いの一言です。自分から面白いことを仕掛けたかと思えば、危険に大して毅然と振る舞ったその生き方は、幕末屈指の生き方そのものと言えるでしょう。高杉さんの魅力は、冷静且つ動く人物像だと思いました。2020/10/17
ロビン
19
NHK『歴史探偵』高杉晋作回に触発されて一読。吉田松陰の弟子であり、師の思想と上海渡航の経験を発酵させて「奇兵隊」を創設、第二次長州征伐ではその軍才を発揮して幕府軍を撃退するも、結核によって夭折した幕末の風雲児である。著者、また山岡荘八などは高杉の本質を「詩人」であると評していて、これは単に詩をものするという意味ではなく、気質が純粋であり、他者への共感や感受性に富み、高杉の場合その合理性とともにある種の理想、ロマンを持っている人間ということかもしれない。松陰との絆、父親への孝心、主君への感恩なども魅力だ。2023/10/30
ue3104
3
おもしろきこともなき世をおもしろく。 この辞世の句が大好きで、僕の座右の銘にしている。 日本を大きく変えた明治維新。その中心になった人たちは思いの外若く、20代30代。現代の我々がいかに甘やかされて育っているかがわかる。 面白かったと言って、終われる人生にしたい。2020/11/07
たー
1
★★★☆☆2020/07/19