内容説明
わんぱく小僧のトミー、乱暴者のダン、心優しいデミとデイジー、おてんばなナン……子どもたちの引き起こす事件でプラムフィールドはいつも賑やか。心温まる名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
114
ベア夫妻がプラムフィールドで開く学園の生活模様。生徒の多くは腕白男子で、斬新な遊びや悪戯が次々に繰り出される。屋内には虫に蝙蝠の死体に石ころ、平然としていられるのはジョーだからだろう。台所を与えられたデイジーの喜び、悪徳を持ち込んだダンの改心、勤勉に働いた末に急逝するジョンへの敬意—土台に信頼、正直、勇気などを据えて自己の欠点と向き合う子供らを活写する点は前二作と共通している。全体を包むのは次の世代という花壇に飾り気のない善良さをひたむきに植え込む大らかな慈愛。「名誉は黄金より尊い」「情けは暴力にまさる」2021/05/10
おか
68
私もジョー夫婦の経営するプラムフィールドの学園に入学したかった。14人の少年少女達がその個性をきちんと活かされながら 其々の性格に適った生き方を ジョーと夫のベア先生に導かれていく様が 最高!!!14人もの子供にできたのだから 我が家の3人にもできた筈、、、苦笑。この時代の遊びというと 今とは違って 周辺にある物で工夫を凝らす。大きい子が 小さい子の面倒を見るのは当たり前で 良い事も悪い事も踏襲され、小さい子は 大きい子の様子を見て やる事を取捨選択する。そして 好きな事をノビノビさせる!!!うーん良かぁ2018/11/30
ユメ
45
物語の主役は四姉妹からプラムフィールドの子どもたちへと移る。子どもたちの個性が生き生きと輝いていて、私は第三作も第四作も好きだ。子どもたちの愉快な遊びや突拍子も無い失敗に一喜一憂し、ジョーとベア先生の温かな愛情によって彼らが開花してゆく姿に目を細めずにはいられない。大人になって読み返すと、『若草物語』の教訓は宗教色が濃かったり現代の価値観にはそぐわなかったりする面もあるのだが、それでもベア先生の教えには変わらず人の心を動かすものが宿っている。子どもたちが素直にそれを吸収するのに何度はっとさせられたことか。2018/11/10
北風
21
こんな名作が消えていくのは本当に残念。みんなもっと読むべき。この作品も前2作が注目されているけれど、趣が違うので当然だが、こちらも名作なのに。現代ではちょっと見せられない過激な内容もあるが、子供たちの健全なこと。現代においては、これを読んでも感動できない社会って歪んじゃってる。ベア先生が金八先生も真っ青な立派な先生で感動した。あれくらい度量が大きく思慮深くなければ、お転婆なジョーの尊敬する旦那さんにはなれないでしょうね。特にダンとナットに焦点が当てられているが、続編で成長した彼らに会うのが楽しみだ。2022/01/09
崩紫サロメ
18
原題はLittle Men、最初のLittle Womenと対になるような形。結婚して子どもを持ったジョーは親戚や身寄りのない子ども達を集めた学校を作る。男の子たちの中に女の子を入れることの是非を論じている場面があるが、作者が婦人参政権運動の担い手であったことと恐らく関係があるのだろう、少年少女たちがそれぞれの長短を補い合い、共に高め合う形で小さな社会が展開していく。続編Jo's Boysはどんなところに行きつくのか、楽しみ。2020/07/03
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