内容説明
妖狐・玉藻が営む和菓子屋『春寿堂』。そこで名月が働き始めてから、季節が一つ巡ろうとしていた。和菓子作りの腕も上げ、春らしい上生菓子作りを託されるのだが――なんと“春が訪れない”怪奇に遭遇してしまい!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
54
名月クンの弟・凪沙クン登場。ここまで名月クンが眼鏡を掛けてるのに気付かなかった、製菓工場ではメガネが曇って大変だろうなあ、と妙なシンパイをしてしまった。役に立たない大食い式神・あずきが可愛く見えてきた。2023/04/11
よっしー
27
名月が働き始めて一年の集大成。玉藻から押し付けられた春風挽歌とのやり取りは文句をいいつつも楽しそうな日々でした。途中、実弟が出てくるは、家の秘密が明らかになるわ…とやや不穏な様子もあったけれど、全てが丸く収まって何よりです。次はどのような縁が結ばれていくのか、楽しみです!!弟君は報われないままなのか、通いつめて染まるのか…どちらなのでしょうね。2021/11/10
み
26
さくさくと♪名月さん、女子にモテモテだわ、妖系の女子だけどね。縁、縁って三作目で目が慣れてウザさが薄れましたよ(^^;あずきちゃんの出番が増えろ~と念じつつ読み進めます。2018/02/08
ううち
17
これまでに縁を結んだ人々(?)が大集合。完結かと思いました。名月くんの口の悪い所はいつもちょっと気になりますが、テンポの良い掛け合いは読んでて楽しい。春風挽歌さんが可愛かった。そして名月くんのルーツが明らかに。これからの話も楽しみです。2015/12/13
onasu
15
名月(ナツキ)が高野山の片隅の和菓子屋「春寿堂」に住み込みで働き始めて、もう直ぐ1年。店主の玉藻は人外の妖狐で、名月に菓子作りの他に(主に人外の者との)縁の宿題を課してくるが、ここにきて最大の難問が。 人とも関わりたくない(同僚の真理を除いて)名月だが、人にはおろか、人外の者にも誠実に向き合うのだから、その縁(主に人外)は拡がるばかり。 これでは人外の者と無縁になりたいという当初の目標とは逆だが、名月の心には春の風が吹き込んでいるよう。和菓子の蘊蓄というより、実体験からの作り方に触れているのにも好感。2021/03/14