内容説明
兄、波之進の四十九日が来た。どんなに賑やかな法要でも、魚之進の心には虚しさばかりが募った。波之進と死に別れた兄嫁のお静が、大福餅ならぬ小福餅を買ってくる。大きな福をのぞまなくても小さな福がいっぱい訪れるのと祈願するのだという。美味の傍には悪(わる)がいる―殺された兄・波之進の謎を探して、魚之進は菓子屋の隠密捜査に着手する!ますます快調! 軽妙洒脱な「風野」風味いっぱいの味見方同心シリーズ。
目次
第一話 たぬき寿司
第二話 小福餅
第三話 冷やし沢庵
第四話 おでんのおでん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
86
今回登場する料理は、いなり寿司、大福餅、冷やし沢庵、醤油煮のおでん。どれもたいへん美味しそうです。 表紙の絵にもなっている串に刺さったおでんは、静岡育ちの私にはソウルフード。出し汁につかって具がなにか分からないなんて、まさに "真っ黒な出汁のしぞーかおでん" です。すごく心魅かれました。 魚之進の食への探求心が推理の勘をも冴えたものとするようで、難事件の解決につながっていきます。 兄殺しの下手人の影もおぼろげに見えはじめて、ますます目が離せなくなってきました。2018/04/30
やも
73
【たぬき寿司】【小福餅】【冷やし沢庵】【おでんのおでん】。たぬき寿司は稲荷寿司の話なんだけど、まさかのそっちのお稲荷さんで締めくくる!?🤣めっちゃ笑った🤣🤣江戸版ミシュランが出てきたり、義姉・お静への気持ちに気づいちゃったり、ミステリーもガチだし、今回も安定の面白さ👏✨2025/01/11
sin
61
時代劇とはこんなもんだといった先入観から“味見方”といったお役目にどうにも馴染めなかったが…起こってしまった事件を追いかけるより、世に隠された事件を探る。まさに隠密としての役目柄と考えるとなかなかどうして味があるのかもしれない。そのうえ一巻目でも知らされていたようにそもそもこのお役目は隠れた悪が必要として始めた事であるらしいし、そこのところ、どう決着をつけていくのか?なんだかこの物語、噛めば噛むほどに味が出てきたように思えるのだが…最後の最後に奇怪な出来事が差し挟まれて…予断を許しません(笑)2016/01/26
kagetrasama-aoi(葵・橘)
38
「隠密味見方同心」第三巻。頼りなげな風情の魚之進でしたが、岡っ引きの麻次とも息が合ってきて、同心らしくなって来ました、良かった良かった!先輩同心の赤塚さんや長老格の同心市川さんにさり気なく気配りされて、なんだか嬉しくなってしまいます。兄の敵も徐々に現れてきた様子、先が気になります。最後のお静が聞いた幻の波之進の言葉、「頼む。魚之進を助けてくれ」に涙しそうでした。皆に心配されているんですね。2024/08/01
ベルるるる
38
稲荷寿司が食べたい!大福餅が食べたい! うぅ~・・・読んでてお腹が鳴るのは私だけですか?2016/09/09
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- 和書
- カール・ベーム




