内容説明
木戸番のおすえが面倒をみている三兄妹の末娘、まだ四歳のお梅が生死をさまよう病にかかり、照降町の面々は、ただ神に祈るばかり――生きることの切なさ、ままならなさをまっすぐ見つめる人情時代小説第五弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイプ
14
髪結猫字屋シリーズの第五弾。シリーズものなので前作から読んでいた方がより深くこの話が伝わると思います。おすえが面倒をみている三兄妹の末娘、四歳のお梅が生死をさまよう病にかかり、どうしてあの時・・・と自分を責め続けるおすえ。そんなおすえの気持ちを救ったのは・・・。照降町の人々の温かさ、今回も健在です。2015/05/16
まき
9
佐吉とおきぬが祝言をあげ、竹とんぼも開店し繁盛して良いことばかりと思っていたら思わぬ落とし穴のような幼子の死に胸が痛くなるわ。最後のサブの話は良かった。2021/10/26
あかんべ
9
三歳、四歳のかわいい盛りに子供を失うというのは、失った夫婦の人生も狂わすほどの哀しみだろう。その中でおすえが立ち上がる姿に、共感をおぼえる。2015/06/24
たーくん
8
佐吉と祝言をあげ、猫字屋の嫁がすっかり板についたおきぬ。今後も照降町にはよきことだけが待っているように思われたその矢先、木戸番夫婦の許ですくすく育っていた三兄妹の末っ子お梅が突然の病魔にたおれる。砂を噛むような想いで己を責め続けるおすえ。それでも後ろを振り向いてばかりはいられない。人情で繋がった世界に身を置き、悲しみや不幸から立ち上がろうともがく人々をあたたかく描く書き下ろし時代シリーズ第五弾。2020/06/13
ヤマママ
2
誰が死ぬのも悲しいが、幼い子供が死ぬのはやっぱり悲しい。2017/08/18