内容説明
真夜中の野原に馬を走らせる小さな人影があった。
孤独な美少女、オルタンスだ。
彼女は青年公爵レニーヌに救われ、荒れ果てた古城でおそろしい秘密の真相を知る。
古城の大時計が八時を打ったとき、オルタンスは公爵の助手となって、八つの事件を解決することを約束する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
12
翻訳読み比べレビューを書こうと久々に手にした南洋一郎さんのルパン。いやー楽しませて戴きました。大いに笑いました。本来人妻のはずのヒロインが美少女探偵助手になっているのをはじめ、恋愛要素を徹底的に排したその姿勢に完敗?!2015/04/05
rigmarole
11
印象度B。それぞれの事件が短編になっており展開が早いです。ミステリーが提示されると瞬く間にクライマックスに達し、種明かしがされてあっさり解決。公爵の正体ははじめから分かり切っているのですが、なかなか暴かれず、暴かれるまでは彼に危機的な状況がほとんど訪れません。従ってスリルが少ない。巧みに構成されたプロットで、見事に怪事件が解決する様は爽快ですが、他の作品に比べても都合の良すぎる話が多いです。また「正しい」推論が安易に他の可能性を排除していて、簡単に当たるのが妙な気さえします。それなりに楽しみましたがね。2018/01/07
barcarola
9
オリジナルは「八点鐘」。しかし、ルパンと言えば南洋一郎さんなのである(刷り込み?)。有名な密室トリックを含む本作も大いに楽しませてもらった。2021/01/17
2兵
3
タイトル通り、八つの事件で構成された連作短篇集。これらの事件に挑むのは、謎の快男児(と敢えて言っておく)レニーヌ公爵と彼の助手である美少女オルタンス。オリジナルはもっと恋愛絡みの描写が多く、収録されたエピソードも異なるようだが(六番目の首飾りのエピソードは他の短編集でも読んだぞ))、話がサクサク進んで読みやすい。今回ルパンは、登場はしますが、最後まで盗みらしい盗みをやらないので新鮮。同じく探偵役である連作短篇集『バーネット探偵社』でもさいごは何かしら盗んでいたのに。レニーヌとオルタンスの微妙な関係は好き。2019/10/15
あさひなる
3
小学生のころに読んだけど挿絵でものすごく怖い絵があってそのページを開けられなかった思い出があります。斧を手に持ち髪をたらした老婆が気絶してるオルタンスを見下ろすシーン。ルパンの役をアラン・ドロンにやってもらいたかった・・・
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