内容説明
完全なる存在となったユヴィオールは城の玉座にあって、瑩国をその手に掴むべく動き始めた。 幽閉されたアルトが恐怖に耐えながら助けを待つ中、すべてを喪ったフォグはキリエの介抱によって目覚める。 反抗の術はない。それでもアルトだけは取り戻さなければならない。絶望的な状況にあって決死の覚悟で城へ突入しようとしたふたりに、ひと筋のか細い糸が垂らされる。 カルブルックに誘われ、向かうのはレキュリィの屋敷。『ローレンの雛』 たちはそこで己の運命を見、そして──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
47
最終巻。フォグはアルトを救い、ユヴィオールの野望を打ち砕く事は出来るのか…な話。あの絶望的な状況をどうひっくり返すのかと思ったら、案外あっさりと終わってちょっとびっくり。個人的に一番好きなのはフォグたちがローレンの真意を知るシーンでしょうか。あそこのキリエが本当に可愛らしくて素晴らしかったです。大団円ではないけど、希望溢れるラストだったしアルトが明るくなった姿を見れただけでも十分満足。あのキリエがどうなったのかは気になりますが、きっと大丈夫ですよね。イラスト含め本当に素晴らしい作品でした。2015/06/14
コリ
27
人造人間の騎士と煉獄の姫君の物語、遂に完結。終わってしまうのは寂しいが、だらだらしない安定したストーリーに大いに満足。最後だけあって見せ場も多く、時間を忘れて読みふけってしまった。その中で特にお気に入りなのがローレンとの邂逅シーン。まさかこんな形で登場するとは…。そして印象的だったのがキリエのこのセリフ。「ねぇ。信じられる?それでも私たちは、愛されてた。私は、愛されて生まれてきたんですって」あぁ、やっと笑えたんだなぁ、と。彼女が報われて良かった。救いがあって本当に良かった。藤原先生、今回も最高でした!2013/01/12
ドル箱
15
総評。これはかなり構成力とガジェットの使い方が上手い物語でした。初刊から最終巻まで「非常に計算された」ライトノベル。そして決してハッピーEDでは無いが、そういう風に構築=藤原が創造したのではないかと推測されます。着地点の予想はやや外れましたが、その先を読者が想像出来るオチも高評価です。後書きで十年後読み返しても誇れるものになってくれたと書いておりますが同意で、藤原作品はこのシリーズしか読んでいなかったが大当たりで満足。また新作が出たら期待して手に取ろう。良いラノベ作品でお疲れ様!最後のイラストも素晴らしい2013/01/10
ごぅ。
14
ローレンの雛たちに託された父の本当の想い。。アルトとエルザ。。。命を賭し、煉獄に包まれ、最後の舞踏を。。。辛く痛いのだけど行き着いた先はとても晴れ晴れとしていて良かった。。。あのキリエに祝福を。。2013/07/21
仔羊
13
ついに最終巻。まさに王道バトルでフォグのあの状況からよく立て直すことができたなと驚きました。ローエンの真意によって導かれアルトの成長とともに全てが綺麗におさまっていったのがなんとも感服です。お疲れ様です2013/01/19