内容説明
現世のひとつ下の階層に位置する異世界【煉獄】。そこに満ちる大気は有害であり、一方で人の意志に干渉して森羅万象へと変化する性質を持っている。 瑩国第一王女であるアルテミシアは、その【煉獄】へ繋がる扉を身の裡に孕む特異体質の持ち主だった。常に毒気を身に纏い近寄る者をすべて殺してしまうが故、普段は呪われた子として城の地下牢に幽閉されている。 しかし彼女は時折、外の世界へ出る。 王家の密命を受けた戦士── 煉獄の毒気を操り戦う【煉術師】として……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
θ(シータ)
83
「昔からちっとも変わっちゃいないわ。女心くらいそろそろわれってのよ」現世のひとつ下の階層に位置する異世界【煉獄】煉獄はこの世に一時的に干渉し森羅万象へと変化する性質を持ちまた有毒という性質を持つ。そんな、煉獄を使う煉術師が盛んな匍都が舞台のダークファンタジー。まず、《電撃の黒い太陽》の異名は伊達じゃない!!相変わらず作中のキャラの扱いが…うん、酷かった(褒め言葉)しかし、独特な世界観で緻密な設定ももちろんあり文章も吸い込まれるようで素晴らしかった。これからの藤原ワールドに期待!!星4つ【⭐️⭐️⭐️⭐️】2015/08/22
まりも
54
毒と策謀の渦巻く都市を舞台にしたダークファンタジー。安心安定の藤原クオリティですね。練り込まれた世界観、殺伐とした雰囲気が見事に調和した1冊。世界観を頭に落とし込むまでは時間がかかりましたが、設定が頭に入ってからはサクサク読み進める事が出来ました。アルト、フォグ、イオの三人の関係性が絶妙で、鬱展開の中にこれがある事で程よくマイルドになるんですよね。イラストも良いし、おすすめできる作品です。次巻も楽しみ。2015/06/09
コリ
27
この作者らしい、どこか救いようのない空気が漂っていて続きが非常に楽しみ。アルトとフォグがこれからどうなるか目が離せない2010/08/24
KEI
25
購入。これは良いファンタジー。設定も世界観もキャラクターも好みだった。第一王女でありながら生まれてすぐに地下深くへと幽閉され、主人公・フォグ以外と誰とも触れ合うことが出来ない、アルト。国王が喜ぶといった形だけの薄っぺらな理由で戦いへと赴き、人形のように無感情のまま眼前の敵を皆殺しにする。アルトのフォグに対する依存が痛々しく、かつ可愛い。他の方の感想を読む限り、また流れ的にも益々黒く暗くなりそうなので、次巻にも期待。煉獄のような絶望の底で毒気のように甘く香る二人を見たい。2010/08/20
YO-HEY@紅蓮ロデオ
20
魔法に対する設定があるのは好き。スクラップドプリンセスとかも同様。でも、この巻は説明と話の書き分けがあんまり上手くなかった感じ。設定は面白いから次の巻も買いますよ。アルトは子供ならではの気丈さがあります。2010/08/22