内容説明
キス事件(?)をきっかけに、アランへの恋心を自覚したエデル。ところが、彼に美貌の貴族令嬢との婚約話があがっていると聞いて、仕事も上の空に! そんな彼女をよそに、アランは研修という名の王都旅行(しかもふたりきり!)を決めてしまった。恋の決断は旅の後で……そう思ったエデルの前に、《魔術師の靴》の気をまとう自分そっくりな青年が現れて!? 靴と恋の物語、波乱含みの第3弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
94
アラン様の恋愛指南書には一体何が書かれているの?誰が書いてるの?ちょっとその本見せてごらんなさい。と言いたくなる三冊目。格好いいはずのアラン様がずっとコメディパートをひとりで担当しているってある意味新しすぎる。エデルは女の子ですから恋に無自覚で無垢な位でちょうど良いのです。今回のモチーフは『人魚姫』。歌に恋したシレーヌ様の物語。人魚姫の様に彼女は自ら差し出せる者がなかった。だからこんな風に犠牲を求められた。だからこそ必要なのは黒と金色の力強い靴。何処にいても、どんな状態でも、彼女の歌声が凛と響きますように2016/01/24
蝶よ花You
44
三巻目となっても改めて熟思いますが、一冊通して流れのある綺麗な作品。物事があって、それに対する心情が描かれ、そこに伴う行動が起きる。とてもわかりやすいけれど説明的でも無く、気持ちを添わせやすい。その一連の流れだけでは退屈しそうですが、恋愛指南書を参考にしたアランの奇言・奇行と、それに対するエデルの咬み合えない対応がアクセントとなって、実に面白い。それにしても、アランはあの指南書を手本にしていない素の言葉の方がエデルをときめかせているのだと気付くのはいつになる事か(笑)。一冊一冊の完成度がとても高い作品。2015/11/03
ぐっち
40
アランさまとエデルの噛み合わない会話が楽しすぎます♪♪朝食ってザリガニってカッコいいのは表紙だけか!と突っ込みそうになってたのに、ラスト何なの「決定事項」って!決定事項がこんなに甘いとは!レイのお邪魔なセリフがなければもっと堪能できたのに~。ということで次も早く読みたい!2015/01/31
みさき
30
エデルがの強さと賢さが好きv過去の失敗を糧に言い辛いことを頑張って伝える、助言を素直に聞き入れ自分の変化を前向きに受け止める等、芯の強い女性だと思う。それと少女小説には周囲の迷惑を顧みずに突っ走るヒロインが多いけど、エデルは冷静に自分の能力を判断して行動する賢さを持ってるところが魅力的。生き物に詳しい(笑)アランも好きですよ。恋愛指南書片手にお笑い発言連発、でも決める時は決めるという、楽しくて目が離せないキャラですね。ラストでお互いの気持ちが伝わったことだし、レイの脅しに負けず幸せを掴んで欲しい。2015/03/17
ひめありす@灯れ松明の火
28
三冊目。職業を持つヒロインであるエデルの前にカーレーン(令嬢)ジュディ(職業婦人)ときて再び令嬢のシレーヌの登場。そして初めての「親」からの脱却。先の二人が最終的に自分の意志でお家に帰るのに対して、シレーヌは靴を履いて外に出ていこうとする。ヒールの高い靴が女性の社会進出の象徴であり、同時の女性を守る鎧であった事を如実に語っている。また他の二人も基本的には靴は履き替えない。一方のエデルはやわらかい室内履きと贈られた薄紫のヒール靴を履き替える場面が随所に見られ、それだけで彼女がこの社会制度の外にいる事がわかる2018/04/08