内容説明
シンデレラの末裔・ディセント伯爵家のアランに求婚された新米靴職人のエデル。だが、自らの出生、そして父の存在からその申し出を断ってしまう！ 失意のアランは熱にうなされるも、とある啓示（？）を受け――？ 一方のエデルはレイと決着をつけるため、彼が出入りするクラウデッド家の仮装パーティに潜入することに。そこで《魔術師の靴》による事件に巻き込まれ……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす＠灯れ松明の火
75
自分の中にある邪な感情と向き合ったエデル。魔力を持たないルディア様。いかれたお父さんの目的。色々な事がわかり始めて、多分大きなターニングポイントになる一冊なのに。『のびしろが』の阿呆な兄妹の会話やら天啓やらザリガニやら脳内ウサギ小屋やら相変わらずアラン様が一人コメディパートでおかしい。普通にしていると格好いいはずなのになんていい人だ……！カーレン嬢も引き続き登場。前の巻に比べると急に大人のいい女になったなあと。働く為の靴を履き、目を開けて前を向いた。リリーローズも彼女に負けず劣らず、いい女になると思います2016/02/26
ひめありす＠灯れ松明の火
51
あんまり楽しみでちまちま読んでたら内容が分からなくなっちゃったので、今回はさっくりと三日で。モチーフは小人の靴屋。小人さん達との仲直りとお別れが微笑ましい。エデル自身もだいぶ小人の靴屋的存在だと思うのですが。甘える事と頼る事、判断と相談、それでも願う事。仕事の上でも恋の上でも進歩目覚ましく健気なエデルは本当に愛らしく、ぎゅーっとしたい……じゃなくて脳内ウサギ小屋に収納したくなります。次は何がモチーフのお話しかな。あとは『長靴をはいた猫』とか『くるみ割り人形』にも靴を貰う版があったかなあとわくわくしています2016/02/26
ダージリン
43
アラン様、ザリガニと豚からはなれましょうよ（笑）。かっこいい時にはとてもかっこいいいのに、この残念さとのギャップが魅力かな？今回は妹のルディアの活躍も多くて嬉しかったです。ルディアの手の上で転がされてるかもだけど、恋に不器用すぎるふたりを支えてくれて、なくてはならない人ですね！そしてアランとエデルの会話は珍妙だけど糖度上がってて、次も大変楽しみです♪2015/05/22
サラ
29
こんなに珍プレーを連発するヒーローが今まで存在しただろうか…ｗｗ期待を裏切らないアラン様が好きだ。幸せなぶたになろうってなんだよ！新キャラのリリーローズも今まで見たことのないタイプのキャラクターでますます物語に引き込まれた。幼女に対してかっこいいと思ったのは初めてだ。この作品は世界観造りが巧みだけど、キャラクターの心情描写も素晴らしいと思う。キャラクターたちの不幸な人生に読者は同情せずにはいられないけれど、皆そのままで終わらずに自分で道を切り開いていくところでいつもはっとさせられる。長く続いてほしい作品。2015/05/16
ひめありす＠灯れ松明の火
27
続き→これは彼女が魔術師の血を引くという事に加え、家制度にそもそも帰属していないという事の大きなモチーフとなるだろう。さて、少女小説において職業が登場する理由の一つに女の子の将来の夢に「お店屋さん」が毎年ランクインする事が挙げられるだろう。外に見える非常に分かり易い仕事の形である。お菓子屋さんや花屋さん、ドレス屋さん（あるいはそれに類似したその世界だけの職業）など、少女の夢をスライドする形で少女小説の職業が存在するのである。それは職人系職業を持つ主人公でも接客する場面がある事からもお判りいただけるだろう。2018/04/08
