内容説明
シンデレラの末裔であるディセント伯爵家は、いわくつきの靴を蒐集している――そんな噂を聞いたエデルは、ひとりでに動く母の遺品“赤い靴”を鑑定してもらおうと、次期当主・アランの元を訪ねた。だが、彼が告げたのは……驚くべきシンデレラの真実!! 靴を取り上げられたエデルは母の死の真相を知るため、極度な人見知りにもかかわらず、アランの経営する靴店『ガラスドーム』で働くことにするが!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
131
毎年一シリーズ好みの少女小説を見つけるのが、楽しみ。ずっと待っていてやっと読めました。思った通りとっても好みのお話しでした。内気だけど一生懸命なエデルも、あんぽんたんなアラン様もどんな恋をするのかルディア様も、あと謎すぎるおじい様とセスも!靴も舞台背景も皆とっても可愛くて。余り急がずにゆっくり読んでいこうと思います。硝子の靴を履いてしまったシンデレラはその後一体どうしているのかな。歌いながら掃除をする事も、王子様とダンスをする事も、ちょっぴり背徳的な赤い色にそっと足の爪を塗る事も、出来なくて幸福なのかな。2015/12/13
ダージリン
54
最初はヒーロー、ヒロインに感情移入しにくかったのですが、妹のルディアが出てきたあたりから馴染んできました(笑)。アランは指南書がない方が素敵ですが、面白いので良しとします!2014/08/18
フキノトウ
48
カッコ良くてモテるのにウブで、恋愛指南書片手にエデル相手に、珍漢に接するアランが可愛かった(笑)面白かったので、続編出ないかな~2014/08/09
ひめありす@灯れ松明の火
42
今年一年を通じて「ライトノベル・フロントライン」を読んで、今はこうした柔らかな研究にも国から補助が出るというのにまず驚いて。それから私ならどんな切り口で研究するかな、と思った時に思い付いたのが「少女小説における職業」でした。少年向けライトノベルに比べ、少女小説では主人公が職業を持つパターンが多いから系統立てて調べたら社会情勢と何某か因果関係が見つかるかと。そのスタートがこの本。紙上でも新しい切り口として紹介されていました。少女小説の職業には「性差あり(女官系)」「性差なし(職人系」「性差あり(男装令嬢)」2017/12/31
蝶よ花You
41
あらゆる少女が一度は夢に見る、誰もが知るお伽話「シンデレラ」。不幸な居遇から誰もが夢見る様な幸せを掴む様をシンデレラストーリーと揶揄するくらい、幸せを掴む事の代名詞ともなっている「シンデレラ」のお話が実は、闇に包まれた暗雲揺らめく罪のお話だと言われて信じるか。この作品はそれを至極当然に信じさせる。そのくらい巧くシンデレラという既に出来上がった物語を展開させてあります。そして、主役二人の関係性の影にこの物語を置くのではなく、きちんと話と絡めて関係性を発展させる展開が巧い。隅々まで読み応えのある出来た作品です2015/10/29