内容説明
大坂庶民の夏の楽しみといえば、天神祭と鱧料理。だがこのところ、刀ばかりを狙う賊徒が横行し、東西町奉行所の与力や同心たちは祭どころではない。能天気なのは食い道楽の奉行・大邉久右衛門のみで、騒ぎをよそに料理方の源治郎に鱧の骨切り修業を言い渡す始末。その目的が噴飯もので――(「地車囃子鱧の皮」)。他、極上の献立が彩る2編を収録。鍋奉行の名裁きが魅せる食いだおれ時代小説第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
51
鍋奉行と西町奉行所の面々ともすっかり顔見知り気分なシリーズ第3弾。今回は鱧。たまらん。はもってなんか、語感がかわいいですよね。あと、だんじりって、地車って書くんですね。勉強になります。「釣り馬鹿に死」も好き(笑)2016/03/20
Kazuko Ohta
49
ネットの掲載記事を読めば、あきらかに変人であろう著者。本人写真はなんだか売れない芸人みたいだし(失敬)。だけど、時代ものはまだまだ苦手な私がハマっている時代小説、鍋奉行犯科帳シリーズです。好きすぎて、制覇するのは寂しく、大事に大事に読んでやっとシリーズ3冊目。食べ物に異常な執着を見せるお奉行様。主役は町奉行所の若い同心。食いもんにしか興味がないと見せて、ここぞというときにお奉行様登場。毎度思うことですが、時代小説かつグルメ小説でありながら、コメディでミステリーで人情もの。なんでこんなに楽しいの。好きやっ!2018/02/03
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
47
相変わらずの大坂西町奉行こと鍋奉行!飲食に関することには異常な執念を燃やす、うわばみ大食らいで大人げないけれど、人情味あふれて頭も切れる。 大坂の風物風俗と落語的なユーモアがあわさった楽しいミステリ。次の『京へ上った鍋奉行』も楽しみ。2015/01/28
ゆきちん
45
鍋奉行③あー、面白かった。今回は、刀狩りからの鱧料理、狸がらみでコンニャク料理、バラバラ水死体と釣りの話。いつものメンバーでお奉行様の食い意地からの名裁き。周りのキャラも良くて気楽に楽しめるシリーズです。2016/12/08
とも
45
痛快で笑いながら読めました。釣り馬鹿に死って釣り好きの登場人物が誰か亡くなっちゃうのかと思いながら読んで後から意味に気付きました。細かすぎ(誉め言葉)個人的には狸神の宴会がシリーズ通して一番楽しかったです。眷属たちも奉行に慣れてきたみたいでなにより。解説で著者さんのことを知れたのもよかった。2014/10/03