内容説明
歌声が聞こえる。そこは、紅い世界だった。 一面に紅い花が咲き乱れ、隙間なく大地を埋め尽くしている。 何もない、ただ蒼いだけの空が広がる。 ……紅い草原に、再び歌声が聞こえた。 そしてそれが終わった時、最初に聞こえた声が訊ねる。 「これからどうするの?」 別の声は、 「いつかと同じさ。どこかへ行こう」 すかさず答えた。 「そうだね。そうしよう」 最初の声が、嬉しそうに同意した。 そして言う。 「そろそろホントに起こしてほしいなあ。キノ」 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第4弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソラ
25
いつの間にか新装版が出ていたので再読。 ここで出てくる国は極端な例だけどなかなか行き過ぎたディストピア感があるのもあったりで少しぞくっとするところもある。2018/09/15
nada
7
★★★★☆ 「伝統」と「塔の国」意外と平和じゃない??驚いたww。シズ様の章は最初あんまり興味なかったけど、読んだ後いいねと思った。プロローグとエピローグは一番気に入った。相変わらず楽しく読みました🥰2023/04/25
ao
6
4巻目。これまでも面白かったが、より洗練されてきたような気がする。文章や展開にあったぎこちなさがなくなってきている。 「伝統〈Tricksters〉」と「塔の国〈Freelance〉」は珍しく平和な話で驚いた。特に「伝統」は、くすっと笑える微笑ましい話だった。2021/06/19
_bookuma
6
2017年120冊目。気になったのは「ぶどう」というお話。どういう意味なのだろうと思ってネットで検索。どうやら、「すっぱいぶどう」という童話を元にしているとのこと。まさにこのキツネのような男が登場します。自分には届かないものや、それを持っている人を「いいなあ」と素直にいうことが出来ず、否定的であるかのように振る舞ってしまうことってありますよね。実際そうなってみなきゃ、手に取ってみなきゃ分かるはずないのになあ。2017/11/06
紫鈴
5
今回も短い話の中に感慨深いものがたくさん。「二人の国」夫婦の事は不干渉。「仕事をしなくていい国」仕事=ストレスなのでは?。「分かれている国」食文化が違えば残酷に見える。「認めている国」一票の価値がすごい。「橋の国」「塔の国」橋より塔より大切な事があるんじゃないかと考える。別の意味で。最後、あとがきがヒドイ(笑)☆52018/03/13