内容説明
地下から開かずの遮断扉を突破し、矯正施設へ潜り込んだ紫苑とネズミ。高度なセキュリティシステムをくぐり、兵士に銃口を向けナイフをかざしながら最上階へ駆け上がる。最上階には《NO.6》を支配するマザーコンピューターと、沙布が捕らわれている部屋があるはず――「やっと来たか。おまえを待っていた」 (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユザキ部長
68
いや~無慈悲に殺しすぎじゃね?月薬さんは危ないと思ってたけど、羅史がこうも早いとは。極限の中での二人を表したかったんだろうけど。2018/07/08
純
61
矯正施設に入ったネズミと紫苑。順調に先に進んで行き、ついに沙布のもとにたどり着いた。沙布がどんな状態なのか気になる!立ってるの!?2016/01/09
がらくたどん
57
NO.6再始動記念再読!矯正施設の地下から本部棟に侵入したネズミと紫苑は貴重サンプルである沙布を探して最上階を目指す。警護兵との応戦で少しづつ覚醒する紫苑のもう一つの顔。彼の口から零れる「仕方ないだろう」の言葉に戦慄しつつ哀しみに包まれるネズミ。少年らしい正義感を追っていたはずの物語に、目的遂行の前の踏み絵のように冷静な無慈悲が横たわり始める。少年たちには踏み絵を踏まずに友を解放する道はないのか?矯正施設の外では紫苑とネズミの脱出を援護するイヌカシと力河が、父の帰りを待つ少女と火藍が不安と焦燥の中にいた。2025/07/05
うりぼう
57
この展開、バッテリーとそっくり。あさのさんの思い入れが強くなるほど、心理描写が長くなる。ネズミと紫苑の立場が逆転しつつ、陰陽の両面をそれぞれが補いつつ一体となっていく。巨大国家の陰影を描くつもりが、登場人物が勝手に動き出し、体制側が反比例して薄っぺらになっていくことで、物語が急速に萎みつつある。あまりに過酷な条件を与えられて、2人は自力では乗り越えられず、何かに導かれる展開にハマる。それは、No.6の犠牲となった者たちの言霊か。莉莉の聡明さが際立ち、イヌカシの抜かり、市長の短絡さが際立つ。ラストサムライ。2012/07/17
mayu
53
矯正施設の地下から、沙布が囚われているだろう最上階を目指すネズミと紫苑。ネズミに守られることが多かった紫苑が、反対にネズミのピンチを助けるようになる。ネズミは紫苑には無垢なままでいてほしかったのかな。守るためとはいえ、荒事に手を染める紫苑に複雑な気持ち。紫苑が何も知ろうとせず、ただ守られるばかりの人ではないことは、だんだんと明かされてきていたはずではあるけれど。ついに沙布なもとへと辿り着く。こんな形での再会になるとは。もう沙布も以前のままの沙布ではなく、変わってしまったのか。次巻へ。2024/10/22