内容説明
耀夜の手が痛みを放つ乳房をとらえ、反対の手が腰帯をほどいた。日月は、腰帯をつかむ耀夜の手に指を重ねた。「耀夜…こんなこと…」「俺のことを考えているというのなら、言うとおりにしろ。いましはおれのものだ」耀夜の手が日月の体をまさぐり、日月はまぶたを閉じて、闇の気配に身をゆだねた。日月の眼窩から、苦い水がこぼれたが、耀夜は気づかなかった…。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CCC
5
まだ「日本」がなかった時代の日本と朝鮮を舞台にした古代ファンタジー。設定が面白そうだと思ったけれど、スケール感は出ず、キャラ小説で終わってしまったという印象。キャラ小説としても、キャラクターの魅力はさておくとして、会話のパターンが少なかった気がする。困ったら胸の話、みたいな。ストーリー展開は大きな不満はなかったが、描写不足に思えるところもあり、なんだかいろいろ惜しいシリーズだった。2020/09/06
りつか
1
完結巻。伏線ほぼ回収された感じで割とすっきりした。光音はこのあとどうするのかしら,というのはちょっと気になるところではあったけれども。二人で一人,というのはこういう意味だったのね…。この巻になって,やっとどのあたりの時代を描いていたのかわかったような気がする。(東皇子=厩戸皇子なのかなぁという勝手な想像)死んでしまった人も多かったし,死別以外の別れもあったけれども,大地丸とユニと日月の3人で賑やかしく九鬼の民を見守っているところを想像すると,それはそれで楽しそうで,いいトリオだな,と思った。【tkb】2012/08/28
Abdiel
1
日月の覚醒の時が訪れる。憎しみに満ちた自分の内なる声に悩みつつ、日月は自分の大切な人を守ろうと奔走する。一方、次代のおやしろ様を決める九鬼の鬼還りがついに行われる。いよいよ八柱が集まった倭で、邪霊界を封じることができるのか。最終巻という事でずいぶん分厚くなっているが、9章辺りで切って2冊にした方が良かったのでは。日月が倭に渡ってからラストまでの話が急展開で、ずいぶん畳み掛けるような印象になっている。最初から最後まで筋を考えてきちんと書いてあり、面白い話だと思う。が、もう少し人物描写がうまければ良かった。2011/01/15
むつぞー
1
最終巻。無理やり終わらせてしまった感あり。文章はイマイチでも設定とか舞台とか面白いものがあったので読んでたんだけど、こう終わってしまうとツライわ~。すごく残念な作品になってしまったと思う。2010/09/23
Azael
0
初版64ページ9行目「玉依姫と呼ばれる筑紫の使者」ってあるけど、出雲の使者ではなかろうか…。重版で修正されてるかな…。2014/03/15
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- 和書
- 三島由紀夫と橋川文三