内容説明
西暦201X年、謎の疫病発生との報に、国立感染症研究所の児玉と矢来はパラオへと向かう。そこで2人が目にしたのは、肌が赤く爛れ、目の周りに黒斑をもつリゾート客の無惨な姿だった。懸命な治療もかなわず、息絶えていく感染者たち。事態は世界的パンデミックへと拡大していく──すべての発端を描く第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
146
予想通り舞台は地球へ。しかし時代が現代とは。前巻最後の5行、6つの勢力が「救世群」に抗した。「救世群」は深く恨んで隠れた、が気になる。千茅が元首を退いた後の話なのか。この「救世群」がイサリ達の祖先だとして、千茅を精霊として従う意思を持つジョプが<石工>の祖先?圭伍と華奈子は間違いなくセキア家の祖先だろう。カドムに従う石塔型ロボットの名・フェオドールが偶然付けられた名前のはずがない。治療法の見つからない感染症<冥王斑>の世界的流行。その原因となった人間の免疫に関する遺伝子に、かなり一致する6本足の生き物→2014/07/12
ケンケン
131
ジェノサイド好きな方にオススメかも!舞台が一転、現代にタイムスリップ〜パンデミックによる救世群の誕生を描いた物語。回復者と国家・個人との過酷な駆け引きなど読み応えがあり、今作も夢中でした♪例の病気・ロボット・人工知能?の繋がりが少し解明されましたが、また謎が深まり続きが気になる〜(>_<)表紙は、あの場所か!?2013/01/31
いおむ
120
ウイルス物は好物なので思ったより早く読了。これが第一部とどうつながって回帰するのか、想像を逞しくしつつ、次いってみよう!!2015/03/25
みっちゃん
110
はるか未来の植民地星から現代の地球に舞台を移して語られるあの「冥王斑」の出現。これが全ての始まりだったんだ!凄まじいアウトブレイク、他の疾病にはないある特徴から、元患者に向けられる激しい差別。恐ろしくて本を持つ手が震えました。驚きの「断章二」1巻でも見かけた「ダダー」「羊」「フェオドール」のキーワード。自立独立を叫んで「救世群」と名乗る回復者と「フェロシアン」の関係やいかに!?先が全く想像できません。最新巻まで読了された皆様が羨ましいです。2014/01/22
藤月はな(灯れ松明の火)
86
一巻の始原となる巻。世界でエボラ出血熱、デング熱とウィルスによる伝染病が起こっている中で死の匂いとそれへの恐怖、生を渇望する呻き、医療従事者の無力感が伝わるような表紙は胸が締め付けられます。冥王斑の感染者は差別に社会に住まう人間を呪いたくなります。隔離政策を選んだ柊は「なぜ、人は恨むのだろうか?」と問うがそれは彼が不条理によって一切を奪われたことがない権力者であることを証明しているように感じました。隔離政策がすいすい、進む一方でその後への対処は利権争いなどでなおざりという点がリアルで一層、腹立たしいです。2014/09/05