内容説明
六欲滅失を誓うマントラ唱和、過去の罪を詰られる懺悔の行、全裸で赤子や動物になりきる自我滅失の行……。一日二十時間の修行を強いる神の郷の洗脳セミナー。参加者の一人、城山麗子は自殺した神郷の母親に似すぎていた。麗子を自分のものにすべく神郷は、心身困憊、意識が朦朧とする中で帰依心を抱き始めた彼女を出家させるよう幹部教徒に命じた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
79
洗脳の実態は被洗脳者の潜在意識の扉を暴力的に抉じ開けさせ、被洗脳者にその潜在意識を自主的に引き出させる描写に、これは上巻で洋一郎(=平八郎の父)が佐代子(=平八郎の母)から腹を裂かれ腸を引きずり出された描写とクロスしました。また、洗脳の実態に麗子を持って来たところがエグかった。2025/11/02
ナマアタタカイカタタタキキ
60
悟りの会での修行という名の執拗な洗脳、そして城山の痛々しい愚行とに多くのページを割いている。上巻に比べて失速したような感じだが、相変わらず俗っぽくも勢いのある筆致が、卑しい人間の内面を次々と暴いていく。こんな荒唐無稽な手口で感化されるわけないだろう…と俯瞰しつつ読むも、これだけの字数でもって語られると、こちらもマインドコントロールを受けているように錯覚する。しかし、噴飯物の詭弁やでっち上げの数々、よくもまあこんなにポンポン出てくるな。特に感銘を受けるような内容ではないが、結末は気になるため、最終巻へ進む。2020/11/14
sayan
21
結構なページ数だが、比較的スムーズに読み進めることができる。が、連休中に読む本じゃないなあと、思わず苦笑いが出た。これでもかと人の暗部をえぐりだし、そこに入り込み、異なる価値観を植え付けていく様を表したそのストーリー展開は、笑うセールスマンの一面を見ているよう。メシアと呼ばれる人間の薄っぺらいセリフの中に真実を見出そうとする、市井の人々の姿に狂気とリアリティを感じる。それは、TVを賑わした某宗教団体の修行風景を連想させるから。直観的にぞっとする。このストーリー展開からどう収束するのか、下巻を読んでみよう。2018/05/03
福猫
21
もうね。読むのがこんなに苦痛な作品も珍しい。ページが進まない進まない。何度途中放棄しようかと悩んだことか。神郷のカリスマぶりが、荒唐無稽すぎて馬鹿らしくなってくる。反吐が出るくらい。てか、登場人物に感情移入できる対象がなくて、苦戦。半ば速読気味で完了。下巻…とっとと終わらせよう。2012/09/20
Gemi
16
長い…長くてだるかったけど着地点が気になって読んでしまった。グロさは鳴りを潜め、最早コミカルに感じられるのが救いか。中巻ではメシア神郷はもちろんだが、城山夫妻が物語の中心に据えられていた。舞台は講習会から悟りの会がメイン。この城山信康の狭量で嫉妬深い偏執的小心者加減に何故か安堵感が。神郷が瀬野を近くに置く意味を理解してしまった。対して才色兼備だが心の奥に潜む罪悪感に悩む城山麗子、良妻賢母かと思われたが、悟りの会参加をきっかけに過去と現在の心境が揺らぐ。しかしながら時折見せる欲の権化神郷の悲しみが気になる。2014/01/09
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