内容説明
六欲滅失を誓うマントラ唱和、過去の罪を詰られる懺悔の行、全裸で赤子や動物になりきる自我滅失の行……。一日二十時間の修行を強いる神の郷の洗脳セミナー。参加者の一人、城山麗子は自殺した神郷の母親に似すぎていた。麗子を自分のものにすべく神郷は、心身困憊、意識が朦朧とする中で帰依心を抱き始めた彼女を出家させるよう幹部教徒に命じた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナマアタタカイカタタタキキ
59
悟りの会での修行という名の執拗な洗脳、そして城山の痛々しい愚行とに多くのページを割いている。上巻に比べて失速したような感じだが、相変わらず俗っぽくも勢いのある筆致が、卑しい人間の内面を次々と暴いていく。こんな荒唐無稽な手口で感化されるわけないだろう…と俯瞰しつつ読むも、これだけの字数でもって語られると、こちらもマインドコントロールを受けているように錯覚する。しかし、噴飯物の詭弁やでっち上げの数々、よくもまあこんなにポンポン出てくるな。特に感銘を受けるような内容ではないが、結末は気になるため、最終巻へ進む。2020/11/14
福猫
20
もうね。読むのがこんなに苦痛な作品も珍しい。ページが進まない進まない。何度途中放棄しようかと悩んだことか。神郷のカリスマぶりが、荒唐無稽すぎて馬鹿らしくなってくる。反吐が出るくらい。てか、登場人物に感情移入できる対象がなくて、苦戦。半ば速読気味で完了。下巻…とっとと終わらせよう。2012/09/20
Gemi
15
長い…長くてだるかったけど着地点が気になって読んでしまった。グロさは鳴りを潜め、最早コミカルに感じられるのが救いか。中巻ではメシア神郷はもちろんだが、城山夫妻が物語の中心に据えられていた。舞台は講習会から悟りの会がメイン。この城山信康の狭量で嫉妬深い偏執的小心者加減に何故か安堵感が。神郷が瀬野を近くに置く意味を理解してしまった。対して才色兼備だが心の奥に潜む罪悪感に悩む城山麗子、良妻賢母かと思われたが、悟りの会参加をきっかけに過去と現在の心境が揺らぐ。しかしながら時折見せる欲の権化神郷の悲しみが気になる。2014/01/09
ひろゆき
10
やばい。。。 1週間ほど修行してきた感覚だ(笑) うーん。。。上を読んだ感想にも書いたけど 長い。。。一人ひとりと一つ一つの話が あとは下です がんばります2017/09/16
うりゅ
8
速読。登場人物の内面の絶望や鬱屈に焦点が当たってきたような気がするけど、そのあたりの描写がどこかで読んだような。類型的。被害者視点からの洗脳の描写は○。この場面が上巻にあれば作品全体への印象はよくなっていたのに。2011/09/02