内容説明
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1950年代、紫の衣装に身を包んだ美少年が、突如として銀座に出現する。美貌と美声で観客を魅了し、マスメディアを騒然とさせた。あの人は、誰?男性?女性?当時、その強烈にして異質な輝きをまっすぐ受け止めることができる人は、まだ多くなかった。恋に狂う者を劇的に、子を想う母をしみじみと、あるいは心やすらぐ唱歌を丁寧に、みごとに歌い上げる美輪明宏は、しかし歌手というにはあまりに広い活躍の場をもっている。芸術家のミューズであり、悩める者のシャーマンであり、希有な舞台人にして、現代の美的貧困を嘆き励ます文筆家-。時代がようやく追いつきはじめたいま、美輪明宏という存在を多角的に照らし出し、その世界と生き方の神髄に迫る。
目次
美輪明宏と霊性 鎌田東二
二十世紀最後の幻想──美輪明宏 嶽本野ばら
少年神から観世音菩薩へ 松本郁子
美輪明宏の女性観・性愛観──ミソジニー(女性嫌悪)説をめぐって 三橋順子
天草四郎を超える美輪明宏 有爲エンジェル
アートとしての身の上相談 波 環
美輪明宏は、占い師なのか セレス
聖なる怪物の聖なる言葉──美輪ワードから探る美輪明宏の魅力と魔力と引力 田中マリコ
神聖な怪物 四方田犬彦
美輪明宏様 榎木孝明
美輪明宏の歌声 大岡 淳
コスモスから排除されたアニマ──『黒蜥蜴』論 円堂都司昭
神々しさといかがわしさと 林 巻子
舞台に生き、人生に演じる──無償の愛の物語 田代幸子
美輪明宏はゴジラである 八本正幸
美輪明宏──美の逆説 谷川 渥
美輪明宏と女装 三橋順子
エレガンスの先駆者 鶴岡英理子