内容説明
梁山泊の頭領の対立が深刻化していた。兵力をもっと蓄えたい宋江(そうこう)。今すぐ攻勢に転じるべきだと主張する晁蓋(ちょうがい)。しかし、青蓮寺(せいれんじ)は密かに暗殺の魔手を伸ばしていた。刺客の史文恭(しぶんきょう)は、梁山泊軍にひとり潜入し、静かにその機を待ち続ける。滾(たぎ)る血を抑えきれない晁蓋は、自ら本隊を率いて、双頭山(そうとうざん)に進攻してきた官軍を一蹴し、さらに平原の城郭(まち)を落とした。北方水滸、危急の十一巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
291
大きな戦が終わり、次の山場を迎えるまでの梁山泊内部の掘り下げに重きが置かれている。再登場の索超、己と向き合う樊瑞や杜興等、どの逸話も面白い。しかし、この巻はそれだけに留まらず、梁山泊を揺るがす一大事が起こる、物語にとって非常に重要な位置を占めたものとなっている。前巻が華々しい戦の活写がメインであったのに対して、様々な人物が内向的に死に向き合う様子が繰り返し描かれ、結果、陰りの多い落ち着いたトーンで統一されている。胸熱というよりは、じわじわとゆっくり、心の深いところまで染み入ってくる、静かな感動のある一冊。2021/12/07
しんごろ
209
攻めるか!待つか!この論議でもめても、外に出ていても、中に残っていても頭領二人の心は奥で繋がっている。「おまえの顔が見たくなった。」このメッセージが全て!もう会えなくても、彼らは無二の友であることは間違いないなかった。樊瑞の覚醒、杜興の意外な才能が輝きつつ、今回は梁山泊、官軍が整備しつつも静かに戦い、情報戦がおこなわれた感が…。嵐の前の静けさか…。青蓮寺も静かすぎて、次巻が気になります!2017/09/21
ehirano1
145
公孫勝「何もわからんということが、わかるだけかもしれんが」、樊端「じゃ、無駄だ」、公孫勝「その代わり、別のものがわかるさ」。この一連の会話がとっても印象に残りました。こういうのなんか好きです。2020/01/03
ehirano1
85
索超「俺は自分が弱いと思ってます」、王進「そう思えるだけ強くなられているのです」、索超「わかりません」、王進「わかる必要はありませんよ。あなたにとって大事なのは、これ以上強くなることではなく、その剣を生かせる場所を見つけられるかどうかでしょう」。もうねこの会話が羨ましくてたまらないです。当方も王進先生にメンターになってほしいですが、現実的には不可能なので脳内王進先生をこさえることにします。2025/11/27
ehirano1
80
「人はたやすく死ぬし、(一方で)なかなか死なない⇒死んでもおかしくない者が生き、死ぬはずのない者が死ぬ⇒(つまり)死ぬ時が決まっているからではないか(つ、推測される)⇒(故に)その時が来るまで死にたくても死ねない。時が来てしまえば死にたくなくても死ぬ(はず)⇒(しかたがって)それぞれの人間がその時を持っている(のではないか)」。この理論構築がなかなか興味深いです。因みに()は当方が加筆しましたwww。2021/01/11
-
- 電子書籍
- 月が浮かぶ川【タテヨミ】11話 IMX…
-
- 電子書籍
- 愛の人形【タテヨミ】第25話 picc…
-
- 電子書籍
- 専門家と患者がいっしょに作った リンパ…
-
- 電子書籍
- おれは一万石 : 5 無節の欅 双葉文庫
-
- 電子書籍
- 月曜日が待ち遠しい フラワーコミックス




