内容説明
わたしは逃げた。世界から目を背けて。大切な人を救わずに、逃げろと言われて、ただ怯えて。……でも。それからずっと心の中で、声が響いている。 ――本当に何も、できなかったの? ―― 心に思い描いた世界を招き寄せる召喚術・名詠式。その専修学校の夏期移動教室で、原因不明の石化事件が発生した。類い希な名詠式の力を持つクルーエルは、強すぎる己の力を使うのをためらっていた。しかし、彼女は級友たちの危機に直面し、ある選択を迫られる――!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
27
再読。ネイトがすごくヒロインしてますね。今回は祓名民でありながら名詠式を学ぶボーイッシュ少女エイダがメインとなる話。人物の心理描写が相変わらず丁寧で読んでいて引き込まれる。ネイトだけでなくクラスメイトたちにスポットを当てることで作品に広がりを持たせるっていうのはいいな。ただその分カインツたちといったメインメンバーの出番が極端に減るのが残念ですが。まぁ盛り上がるのはここからなので次巻を読みましょうかね。2014/03/12
雨ヨ@感想後まわし;
14
最初から決められた道を歩む者っていうのは選択が無く楽なのか窮屈なのか。エイダはしかもその道がドンピシャだったのがまた悩ましかったのだろうな。一度離れてみて分かることってある。道を2つ選んだのはエイダらしい。2013/02/05
たく@ぼっち党員
13
表紙の右側、エイダがメイン。素晴らしいね。二巻にしてこの熱さ。葛藤の果ての決意を胸に、少女は…。最後のオチもいい。素敵。2015/07/10
カインズ
13
【討て、友守るため】名詠式が根幹をなしていた前巻と打って変わって、武闘派少女が大活躍する巻。己の道に確固たる自信を持てないながらも、自らの大切なものを守るために決心する姿が胸を打つ。他人と違うということの恐怖、排斥されることへの不安、そんなものを払拭するクラスメイトの暖かさはいかばかりか。2012/06/29
仔羊
13
作品の半分ほどがバトルものであるにもかかわらず、こんなに心に響くのはなんでだろう…。二つの別れた道に迷うエイダの決意が丁寧に優しく紡がれていて戦闘中でもとても感動しました。ネイトくんとエイダさんの境地は似ていて今後に助け合うこともあるのでしょうか。何気に凄くなっていたクルーエルさんとも合わせて期待を膨らませて次巻へ…2011/09/18