内容説明
天武天皇は、聖徳太子の中央集権路線、大化改新の志を受け継ぎ、方針を推し進める藤原不比等のもと、律令国家が完成。万葉人に「におうがごとく」と謳われた平城京建都が敢行される。シリーズ完結。
※単行本『古代からの伝言 壬申の乱篇』(二〇〇四年五月、小社刊)「第八部 わが国家成る」を分冊し、文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TheWho
15
日本書紀を軸に古代日本を紐解く古代史絵巻「古代からの伝言」シリーズの最終巻。本巻は、壬申の乱後藤原不比等の和同開珎の鋳造による貨幣経済への転換や大宝律令制定による法治国家確立、平城京遷都による国家首都の形成、そして特筆すべきは、象徴天皇制による国体の確立など現代日本に通じる政策の数々が語られている。本巻でシリーズ7巻の大作が完結を迎えた。また全巻を通じて現代日本ではタブーとされている朝鮮半島との関わり合いを近現代史に通じる鋭い視点で語っている。封印されている日本の歴史を明らかにする超お勧めの傑作です。2015/02/20
senzaburo
2
古事記編纂1300年。このシリーズ最高でした。2012/07/02
ゆっきーまうす
2
全7巻読破。奈良では1300年祭が昨年盛り上がっていたが、ある方が「1300年より前にこそ奈良の歴史がある」と言っていた。鎌足も不比等も役職には拘らず、要は中身であり、ビジョンであり、その行動である。サラリーマンも同じ。役職に就いてからやろうと思ってもできるわけがない。もっと、ガンガン飛ばして行きましょう。2011/03/21
名前はまだない
1
再読。ここまで不比等と草壁皇子、持統天皇が良いキャラなのは珍しい(笑)短編集のようで仕上げの巻として若干違和感はあるものの、まだ描きたい人物と出来事が色々あったということでしょう(序盤の半島情勢はちょっと冗長で流し読みしてしまった)。まぁどう描かれようが、藤原不比等が不世出の秀才ということは間違いない。そして本当に県犬養三千代と「うまく」結ばれて「娘が生まれ」たことも、この時代の国家づくりを突き進めさせた藤原氏の奇跡としか思えない。すぐに藤原4家、そして摂関家時代に続くと思うと、いやはや「すごい」としか。2024/06/23
投入飲料
1
日本という国家の根幹が完成していく、激動の時代のクライマックスが描かれている。 古代豪族や皇族のバイタリティー凄い。2018/04/18