内容説明
東アジアに足跡を残した初々しい日本外交の姿を卑弥呼と司馬仲達を中心に描き、正史「日本書紀」が伝える神武天皇の建国神話へとつなぐ。臨場感溢れる筆致で迫った画期的労作。「日本建国」「大和の青春」収録。
※単行本『古代からの伝言 日本建国篇』(二〇〇三年一月、小社刊)を文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
57
邪馬台国、卑弥呼、神武東征、日本武尊の熊襲&蝦夷討伐とこの巻はここまで。邪馬台国は魏書から、そして初代神武からは記紀から描かれた記述で、著者の考察を交えた神武から始まる物語となっている。史料が少ない中著者の想像も大いに込められているのだが、その物語が読んでいて楽しい。また著者はこれらの物語は神武&欠史八代も含めて「後世の捏造ではない」という立場で描かれているので、記紀には淡白にしか描かれていないその時代に起こった内容について著者が推察をしている。その推察物語が私の中では印象深い。このシリーズ面白い。2019/02/21
TheWho
17
記紀を核に様々の古代文献から紐解き、古代日本をいきいきと物語る古代史絵巻「古代からの伝言」シリーズの第一巻。神功皇后の三韓征伐からの第二巻と、皇統断絶の危機であった継体天皇の時代の第三巻を先に購入して感銘を受けたので、残りのシリーズを購入。本巻は、三国志で語られる邪馬台国の魏への朝貢から始まり、大和説を下敷きに神武天皇の東征を絡めて壮大な古代世界が浮き彫りにされる。そして大和は邪馬台国と対立した狗奴国であるとの大胆な説で日本建国を語っている。次巻は飛んで聖徳太子の活躍する第4巻。楽しみです。2015/02/03
ハッピーハートの樹
9
再読。ほとんど仮説とは言え、説得力はあるし、三国志とかで時代背景を解説してくれるので、すごく分かりやすいです。邪馬台国や神武天皇の東征、大和朝廷の成り立ちは、これが真実だって信じてしまいます。それぞれの文言は知っていたけれど、神話的なこともあるし、その現実性や関連性なんて考えたことがありませんでした。この本を読んで歴史物語として認識できそうです。/その他、よく知られているように~、などと語られるコラムについて、知らなさ加減には唖然としました。いったい日本史では何を勉強したのだろうと、恥ずかしくなりますね。2014/10/23
Honey
7
考古学的資料解説のような時代小説のような構成。歴史を学ばせてもらったような、ロマンチックなストーリーを楽んだような、不思議な感覚です。 ややすっとばしながら読みましたが、何かの折にはまた読み返せばいいかな、と続編にとりかかりたいと思います♪2016/01/31
珈琲好き
4
古代人謀略使いすぎ。/崇神天皇の頃の勢力範囲が信長によく似てるというのはイメージがしやすかった。畿内を制するものは日本を制するんやね。2017/06/18