内容説明
ホームズ物語は、月刊誌『ストランド』に短編が掲載されはじめてから爆発的な人気を得た。ホームズが唯一意識した女性アイリーン・アドラーの登場する「ボヘミアの醜聞」をはじめ、赤毛の男に便宜を図る不思議な団体「赤毛組合」の話、アヘン窟から話が始まる「唇のねじれた男」、ダイイングメッセージもの「まだらの紐」など、最初の短編12編を収録。第1短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aika
46
かの有名なアイリーン・アドラーが登場する「ボヘミアの醜聞」、突飛な発想が印象的な「赤毛連盟」、小学生の時に初めて読んだ「まだらの紐」など、短編ながらも驚きの展開に、ワクワクしながらページをめくりました!その一方で、「オレンジの種五つ」ではKKKにまつわる人種差別が題材に盛り込まれるなど、ホームズやワトソンたちキャラクターのユニークな個性を通して、社会的なメッセージも込められているように思えて、深みのある作品群だなあと感じました。人間の愛憎や醜さ、哀しさみたいなものも見え隠れして、盛りだくさんの内容です。2016/11/21
k5
44
昨年から読んだミステリをランクづけしていて、100冊目なのでやはりこの作品。探偵が歩く作品が好きなのでベストは「青いガーネット」か。ホームズやワトソンの仕草がうまいなあ、とうなるとともに、仕草と二人の会話で物語にひきこむって、ある種落語みたい、とも思いました。ぼちぼち読んで全集制覇を目指します。2020/03/31
セウテス
44
2006年の新訳ホームズ全集9刊の1冊目です。兎に角発刊から100年以上も経っているのに、又新装版の発売とは、流石に凄いとしか言葉がありません。この『冒険』は、初期の12の短編集でデビュー作からの順番ではありません。私にとってのホームズ作品とは、名探偵としてなら他に天才、魅力ある人物が数多くおりますし、ミステリーとしてなら優れたトリック作品が限りなくあるその中にあって尚、何度読み直しても、切り裂きジャックを生み隠し通してしまったロンドンの霧の中にいるような、不可思議な感覚を感じる特別な作品なのです。2014/06/07
しゃお
42
何度目かの再読。今回はグラナダ版のドラマで映像化されているものを観返しつつ読みました。そして原作もドラマ版も妻とウヒャウヒャ言いながら、そしてツッコミながら観て、そして読み返しました(笑)。今回はホームズが実に行動的であるなと改めて感じつつ、ツッコミどころすらも楽しい事もまた改めて感じました。ところで光文社文庫版で読むのは初めて。日暮さんの新訳でとても読みやすく、光文社文庫版も揃えたくなりました。2021/07/11
あやりす
40
シャーロックホームズデビューです。新訳ということでとても読みやすかったです。深く楽しみたい人は他の版が良いみたいですが、純粋にストーリーを楽しみたい人はこちらがお薦めのようです。何となくの知識しかなかったですが、ホームズとワトスンの会話や『あの人』の登場、単純明快なのに謎解きされるまで全くわからず、謎解き後の『あーなるほど』のやられた感、どれも楽しかったです。繰返し読むことでもっと楽しめそうなので再読必須ですね。そしてシリーズも読み進めたいと思います。2019/04/07