内容説明
ライヘンバッハの滝で死んだはずのホームズが生還した!…その顛末とモリアーティ教授の右腕モラン大佐による事件を描く「空き家の冒険」、有名な暗号ミステリ「踊る人形」、ナポレオンの胸像を壊してまわる不思議な人物の話「六つのナポレンオ像」、有名なせりふ『さあ、ワトスン、獲物が飛び出したぞ!』を生んだ「アビィ屋敷」など、13編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
56
〔再読〕ライヘンバッハの滝に、宿敵モリアーティ教授と共に落ち、死んだと思われていたホームズが生還する「空き家の冒険」、他13編。この作品集は「帰還」「復活」等と、違うタイトルが在りますので御注意を。ホームズが失踪していた10年の間に世紀が変わり、馬車は車にガス灯は電球に、何より電話の時代になっていました。しかし作者は、あえて以前のままの背景に固定しており、ホームズの時代をより感じるものに成っていると思います。「アビィ屋敷」や「第二のしみ」は、シリーズとして大切な作品でもあり、佳作が集まっていると思います。2015/07/27
aika
40
待望の、ホームズ復活!「空き家の冒険」では、ホームズらしい華麗な登場の仕方で、驚きすぎたワトソンが気の毒なくらいです。そして「踊る人形」。コミカルな人形に隠された恐ろしいメッセージ。「恐喝王ミルヴァートン」では、ハラハラドキドキの名コンビの潜入作戦!「三人の学生」「スリークウォーターの失踪」「第二のしみ」などでは、誰も命を失わないストーリーが意外で、冷徹さが持ち味のホームズが見せる、犯人を思い遣る優しさにほっこりしました。2016/12/17
tengen
39
蘇るホームズ☆家の中で藁を燻す☆暗号を解き明かす☆家庭教師の危機☆謎の誘拐事件☆銛で殺害したのは☆スキャンダル恐喝の顛末☆壊される胸像の秘密☆試験問題を盗んだのは誰☆残された眼鏡からの推理☆名選手が試合前に失踪した訳☆殺人現場のワイングラスとちぎれた呼び鈴の紐☆国家機密文書の行方を探る☆彡空き家の冒険/ノーウッドの建築業者/踊る人形/美しき自転車乗り/プライアリ・スクール/ブラック・ピーター/恐喝王ミルヴァートン/六つのナポレオン像/三人の学生/金縁の鼻眼鏡/スリークウォーター失踪/アビィ屋敷/第二のしみ2018/05/17
KAZOO
29
やはり今の言葉で訳されているので非常に読みやすいです。この短篇集の中には佳品が並んでいます。私はこの作品集は比較的上位に入ってきます。イギリスでは何度もシャーロックホームズがテレビ化されていますが日本では難しいので「相棒」とかになるのでしょうね。2014/06/25
のざきち
25
シャーロック・ホームズ第三短編集。前作「最後の事件」でライヘンバッハの滝に姿を消したホームズ。作者ドイルに非難が殺到したらしく「空き家の冒険」で無事生還する。ただ、解説にもある通り「冒険」「回想」の時の論理的・分析的推理が影を潜めてしまい、本書では冒険談的要素が中心になってしまった感は否めません。勿論それなりには楽しめましたが...推しは暗号ミステリ好きなので「踊る人形」とホームズの騎士道精神に痺れる「恐喝王ミルヴァートン」。2020/09/30