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内容説明
ジェルミを疑い執拗に告白を迫ったイアンだが、ようやく彼が語り出した真実は、あまりにも衝撃的なものだった。信じていた父の姿が揺らいでいく不安とジェルミへの不信で苦悩するなか、イアンは二人の犯罪の確かな証拠を探し始める。ところが、直後に入った、父の事故は車の欠陥のせいであったとの知らせに、混乱したイアンはジェルミの告白を“否認”してしまう。ショックのあまり、アメリカへ帰国するジェルミ。そして、イアンはすべてを忘れようと決意する。息もつかせぬ展開の長編サイコ・サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そらねこ
25
とうとう自分の父親がジェルミに対し犯罪を犯していたことを知ったイアン。自分の今までの父親像が壊れていく。そしてそれに耐えられず、ジェルミに告白を強制したはずなのに一転してそれを拒否。恐れながらグレッグが自分にした所業を暴いて欲しかったジェルミは更に傷つく。…確かにイアンの気持ちは痛いほどわかる。そしてジェルミの辛さも。しかし、ジェルミの語った道具が父親の部屋で見つかり、自分の記憶と照らし合わせ、どれだけ自分がジェルミに酷いことをしたのかを知る。森の中で恥ずかしさに涙を流すイアンに私も涙する。2017/01/28
辺辺
24
積本崩し。家庭内性的虐待をテーマにした物語を読むのが辛いな。個人的にグレッグという人間がどうしたらこんなことができるのか、全く理解できないんですけど。完全に異常でしか目に映らないよ;そして、知っていながら、知らないふりをするジェミルの母の心理はもっと理解不可領域。まあ、ここではっきりしなきゃならないのは、己は正常なヘテロだという幸い。グレッグの人格構成がどうなってるのか?凄く疑問に思うな。ベルトにロープにベニスの仮面にペディキュアetc。なまじ迫力のある絵なだけに、不気味、不気味過ぎる;おえぇ~;2018/02/04
阿部義彦
15
とうとうここからは、過去に読んだ所を、追い越して初めて読みます。ジェルミは告白して、それを転移されたイアンが主役に、イアンもまた狂います。そして、写真が全てを語り新たな局面へ、ジェルミはキャスとともにジャンキーへと成り果てた。 重すぎる。2015/10/03
さとまみ(コミックス&BL小説専用)
12
イアンが事実に向き合うまでの長い道のり。この後を早く読みたいが、中々手に入らない。2016/07/04
赤とんぼ
11
告白われた事実が受け入れがたいものであるために、否認し、さらにジェルミを追い詰めるイアン。 どちらも、深い哀しみ。 それでも関わり続けようとするイアン。それが吉なのか凶なのか。 人生は、絶対に後戻りできない。なかったことにできない。 どれほど受け入れ難い事実であろうとも どれほど自分が歪み変化してしまっても 元通りにはならない。その事実の次に何を描くのだろう。2018/05/07