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内容説明
グレッグの獲物と化したジェルミ。逃げるように寄宿学校に転入したものの、帰宅する週末ごとに義父との悪夢のような時間が待っていた。しだいにエスカレートする行為に、ジェルミは心身ともに激しく消耗していく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そらねこ
24
これを読んだ当時、既に大人ではあったけど、どうにも辛すぎる展開に読み続けるのが辛かった。愛する母親を守るために自らに犠牲を強いるジェルミ。一緒に暮らすナターシャも気付いても止めてはくれず、誰にも言えず、誰からも救われないジェルミ…。今はあれから何年も経って、海外のサスペンス小説が好きになってこうした子供や女性を虐待する展開の入る小説は沢山読んできたので、結構冷静に読める。そしてやはり萩尾さんは凄いと実感。2017/01/28
辺辺
22
このような愛と憎しみに満ちに満ちって狂いに狂った(ように見えた;)かの偽家族ごっこを守り続けるのに一体なんの意味があるのだろうか?という個人的疑問はこの際置いといて。謎に謎を謎っての第二巻。お話自体は物凄く面白いのだけれども、初めっからのうっすら気味悪さがどんどん不気味になっていく酷い展開。この家では皆護身の為にウソをついてる、ウソにウソを重ね、徐々に壊れていくという悪循環。複雑なキャラ関係でどれをメインに辿れば良いやら;自分の子供を犠牲にしてまで人間失格な男との結婚にしがみ付く母親の失格ぶりに虫唾が走る2015/01/03
赤とんぼ
17
いろいろと闇を覗き込んでしまうようで、読むのがなかなか辛い。でも、怖くてやめられない…。母を守ろうとするからこそ、助けを呼べないというのが、たまらなく苦しい。皆自分を守るのにあまりにも必死。家族が生贄を必要とするとき、本当に残酷なことが起こる。 「これで、どうやって生きろというのですか。生きることが正しいのですか。何故死を願ってはいけないのですか」昔精神科勤務の時に聞いた言葉たちがよみがえってくる。 2018/05/05
UC
16
積みから読了。終盤にとうとうジェルミが狂い始めましたね、いやまだ予兆に過ぎませんが… ナターシャもジェルミを救ってやりたいけど、やっぱり自分の息子の方を守ってやりたいのでしょうね。 少し思ったけど、サンドラがさっさと死ねば事態は好転するんですよね、この物語。 前も話しましたが、この物語のジェルミは機動戦士ガンダムUCに登場するアンジェロと同じような生い立ちを辿るそうです。いや、最終的にはアンジェロより酷い結末を迎えるのでしょうか…2015/09/18
阿部義彦
12
ナターシャはグレッグのジェルミへの虐待を知っても無視をする。イアンは良い家族を演じようと提案。サンドラは何も気付かずに息子を可愛がりスポイルする。なんと鈍感な家族であるか!心理療法の専門家を訪ねるジェルミ。2015/10/03