内容説明
司馬遼太郎畢生の大長編!
西郷隆盛と大久保利通。ともに薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、幼い時分から机を並べ、水魚の交わりを結んだ二人は、長じて明治維新の立役者となった。しかし維新とともに出発した新政府は内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発。西郷は自ら主唱した“征韓論”をめぐって大久保と鋭く対立する。それはやがて国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく――。西郷と大久保、この二人の傑人を中心軸に、幕末維新から西南戦争までの激動を不世出の作家が全十巻で縦横に活写する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
195
第28回(1990年)NHK大河原作。明治維新後の西郷隆盛と大久保利通を書いた 秀作。征韓論から西南戦争までの史実はある 書きにくいのはと思うが、司馬遼太郎は見事に本書の中で再現させてくれている。江藤新平・桐野利秋なども印象深く描いてくれている。2010/07/31
Die-Go
171
再読。来年の大河ドラマのために読む。時は明治始め。西洋の文化を取り入れ始めた日本。しかし、その中には西郷隆盛を筆頭に政府の方針に意見を異するものたち(具体的には征韓論)の姿があった。余談が多く、若干読むのに苦労するかもしれないが、それでもその余談が話を膨らませてくれていて楽しめる。前回は苦労したのが嘘のようにサクサク読めた。だけど、まだまだ序盤。★★★★☆2017/12/12
mitei
139
西郷隆盛を中心に書いた一冊。この巻は初代警視総監の川路の話が中心だった。維新の頃の雰囲気っていいなぁ。2010/01/27
財布にジャック
108
遂に、長い長い物語に手をつけてしまいました。実は西郷さんの誕生日が私と同じ12月7日だと知って親近感がわき、読んでみようと決意した次第です。案の定、予想通り司馬さんの主観で歴史上の有名な人達を語られてしまうので、イメージと違うかもと挫折しそうになりながらも、なんとか1巻は読了出来ました。木戸さんが西郷さんと会見するシーンで「お互い、生きすぎたかもしれませぬな」という台詞があるのですが、そこでは幕末の激動の歴史が走馬灯のように私の頭にもよぎりました。明治維新後の歴史をとくと拝見させていただきます。2013/01/22
優希
98
明治維新からの新たな時代での始まりなんですね。日本を揺さぶった西郷隆盛。新政府ができたのはいいものの、誰もが牽制しあい、自らの理想を実現させようとしているような気がしてなりません。権力闘争とも言えるでしょう。新しい日本がどう動いていくのか、また西郷どんの動きはどのようであったかを見ていきたいと思います。2019/01/24