内容説明
明治十年二月十七日、薩軍は鹿児島を出発、熊本城めざして進軍を開始する。それは西郷隆盛にとって妻子との永別の日となった。迎える熊本鎮台司令長官・谷干城は籠城を決意、援軍到着を待った。戦闘開始。「熊本城など青竹一本でたたき割る」勢いの薩軍に、綿密な作戦など存在しなかった。圧倒的な士気で城を攻めたてた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
95
西南戦争開始です。士族側は作戦などないまま戦いにのぞんだようです。力任せに攻めていけばどうにかなるかもしれないと思ったのかもしれません。そのせいか、優勢な様子は感じませんでした。沈黙している西郷どんですが、今後はいかに動くのでしょう。2019/01/25
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
93
これまでが長かった。明治10年2月。これまで沈黙を守っていた薩摩の士族もついに暴発。西南の役が始まる。ここにきても西郷は自らは全く動かない。自分の運命を完全に他人にゆだねているように思える。幕末あれほど活躍していたのが嘘のようだ。すでに厭世的な気持ちになっていたのか?それにしてもこれを迎え撃つ政府軍もまたどたばた。連隊長たる乃木の戦ベタはこの時も、この後日露戦争になってもなおらないんだよね。なぜあそこまで出世ができたのか本当に不思議。2013/06/08
やっちゃん
85
漫画小説によくある天才軍師の相手の裏の裏をかく美しい戦略とは程遠い、猪突猛進で脳筋な展開が悲しい。せごどんここまで一度もいいとこなし。真面目にやってくれと言いたくなる。さらに坂の上の雲に続いてここでも乃木大将が無能を晒されてて泣けた。2024/02/26
k5
65
西南戦争がついに勃発。ただ、不平士族のマグマが頂点に達してしまうと、一人一人が抱えていた感情の陰翳みたいなものはなくなってしまうのか、読んでいてもそんなに面白くなくなってきてしまいました。あと二冊、面白くなってほしいな。2025/06/28
Book & Travel
65
ついに薩軍進発。しかし西郷は諦感したようにただ担ぎ上げられるままで、桐野ら将官には戦略も戦術もない。谷干城守る熊本城を落とせる訳も無く、政府援軍との野戦へ。克明で淡々とした流石の戦闘描写は臨場感があって、巻末の地図と首っ引きでどんどん読み進める。若き乃木希典も登場。司馬さんはやはりこの人には厳しいようだ。粗暴な作戦でことごとく勝機を逸する薩軍がもどかしく情けないが、士族や民衆からの支持は絶大。対する太政官政府の不人気は、近代化が急速に進む中でやむを得ず生じたひずみだったのか、進め方のまずさからだったのか。2017/12/18
-
- 電子書籍
- 最強課金プレイヤー【タテヨミ】第115…
-
- 電子書籍
- LDK the Beauty 2023…
-
- 電子書籍
- コミック版 日本の歴史 戦国人物伝 大…
-
- 電子書籍
- 嗤う女~狙われた、とある一家の物語~ …
-
- 電子書籍
- 淫ら上司 - スポーツクラブは汗まみれ…