内容説明
上洛した会津藩主従は、新選組と協力し、京の街を荒らしまわる過激派不逞浪士の取締りを強化する。八・一八の政変で、三条実美ら尊攘派公卿や長州勢は京を追われるが、残存の勢力が王都襲撃の陰謀を着々と進めていた。それを察知した新選組が池田屋を急襲、多数の浪士を検束した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
連雀
3
私も司馬遼太郎で歴史観を養ってきた経緯がありますので、長州びいきが露骨な司馬小説ばかり読んできた身には、こうした会津から見た視点は実に新鮮で面白く感じます。当たり前のことですが、天誅はただのテロですからね。バランスを取るのに実に良い。2017/10/16
てっしー
3
「八重の桜」予習用、第二巻。前巻にも増して、清々しいくらい徹底的な会津擁護。ほとんど小説というより歴史エッセイ、いや松平容保を教祖とする宗教書かと。会津藩のなしたことは全肯定、他は全否定。西郷高杉吉田松陰まで全否定。出版当時はそれだけ薩長史観が幅を利かせいて、それに対するアンチテーゼだったのか。作者の見方は一つの史観として否定しないし、これだけ複雑な時代を易しく生き生きと語る力は素晴らしいと思うが、架空のキャラやストーリーを創作してまで薩長土を貶めるのはやり過ぎではないのか。2013/03/11
mizuha
2
八•一八の政変、池田屋騒動、長州征伐へ。ドラマには随分と置いていかれたな。それにしても、見事に会津武士の為に書かれた本。著者の薩長嫌いは有名だけど、本当に嫌いなんだなぁ。歴史小説だから公平である必要もないんだけど……、さて、3巻は鳥羽伏見へ。じっくり行きます。2013/05/04
東森久利斗
1
過激、盲信、歪曲、無知、偏屈、長州主導の精神主義の暴走は、このまま大戦まで続き、日本全土を戦火に巻き込み、310万人の尊い命を犠牲にする。餓狼な過激志士と貧乏公卿による、偽尊王と尻軽攘夷の御旗のもと弱者を犠牲、国民不在・民意無視で強行された、イデオロギーなき火事場泥棒的クーデター。勝てば官軍、都合よく書き換えられ封印された史実。敗者の生きざまを通して、近代日本が如何なる犠牲のうえに成立し、負債として現代に受け継がれているか。膨大な文献、史書を通してその実相に迫る。2024/01/09
satomohiko
1
作者の容保に対する敬意と賞賛、対象的に長州、薩州に対する憎悪が繰り返し記されている。その割りには蛤御門の変は結構あっさりと言った感じ。池田屋での新撰組の活躍には嫉妬が感じられる。会津に対する歴史観の偏りはかなり強い。だんだんと古文みたいな引用が増えてきて、読み進めるのにかなり疲れた。2014/02/06
-
- 電子書籍
- 元最強魔法少女さん。魔法界で早期リタイ…