内容説明
幕末、京都を中心に尊皇攘夷の嵐が吹きあれる中、会津藩主松平容保は、京都守護職を拝命し、京都の秩序回復と禁裏の守護に当たるべく藩士を率いて上洛した。天皇に忠を、幕府に孝を尽くした会津藩主従が、なぜ朝敵の汚名を被らねばならなかったか。幕末悲劇の真相を追求する著者畢生の大河歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
62
海音寺氏の『西郷隆盛』の会津Vs長州の場面を読み、こちらの『会津士魂』を読みたくなった。幕末モノと言えば薩長が英雄となる物語が多いが、こちらは会津の視点とした物語で薩長等はテロとした扱いで物語が進む。かつて「幕末という時代で一番の功績は薩長ではなく幕府かな」なんて言った人もいたが、こちらの視点の物語の方が実は正しいのかもしれない。じっくりと会津物語を楽しみたい。2018/01/08
てっしー
9
大河ドラマ「八重の桜」の知識補完のために読んだ。著者の歴史論4割、小説6割といった感じで、幕末史をひたすら会津藩側に愛情を込めて描いている。明治維新を深い考えのないただのクーデターと斬って捨てたり、清河八郎なんかを数1十頁に亘って口を極めて罵倒したり…ここまで偏っていると、かえって心地よいな。(他の観点からも勉強する必要が生じたが。)読み物として十分面白かったが、オリジナルキャラは必要なかったのでは。…こんなに面白いならあそこの古本屋で二巻目以降も買っときゃ良かった。売り切れてたら面倒だ。2013/02/07
連雀
8
久々に幕末物が読みたくなって、電子書籍化もされていた本書を購入。もちろんタイトルは知っていましたが、長い物語故にこれまで手に取るのを躊躇ってきたのですが、今は逆にこれならば当分楽しめそうだと長さが嬉しい。2017/10/02
miina
5
ちょっと言い回しとか、人の名前がたくさんとかで読みづらかったけど、真剣に書かれている感じがあって、面白いと思った。 続きはゆるゆると是非読みたいと思う。2021/01/20
satomohiko
5
去年流行った会津を知るために読み始めた。以前、司馬遼太郎の龍馬が行くを読んだ時は、会津藩は朝敵とされ、龍馬たち明治維新で活躍したものからも敵視されていたので余り良い書かれ方はしていなかった。今回は、藩自体が主役とありまた違った見方で会津を知ることができそう。一巻後半は清河八郎がいかにひどいやつだったかが延々と記されている。最後はズバッと期待通りの結末。スッキリ!2014/01/20