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内容説明
1959年、スイスのガブリエルスイスギムナジウム(高等中学)にふたりの転入生があった。イギリスからやってきた彼らはエドガーとアラン。川の中洲に建てられた学校の中で寄宿生活を送る生徒たちにとって、ふたりはその印象的な容姿を抜きにしても興味をそそられる存在だった。中でも正義感が強くおせっかいなキリアンは、遠方からの転入生の面倒をみるのは当然の義務と考えていた。しかし、正体が露見すれば人々からバンパネラとして狩られることになるふたりにとって、たとえ好意からとはいえ、彼は危険な存在であった。それはふたりがここに来た目的を果たすためにも妨げとなりかねず…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
marumo
26
3〜5巻、再読。「小鳥の巣」はけっこうトーマとゴチャ混ぜになっておりました。寄宿学校と死んでしまった美少年しか共通してなかったのに。好きなのは「エヴァンズの遺書」 だいたいにおいて老成してて上から目線なエドガーが寄る辺ない子どものようなのが魅力的。何より、エドガーの記憶が戻ったらしいことを知り、お姫様然とした態度をかなぐり捨て「わたし、つれていけるわ!」と言うメリーベルの絵が、今見ても、やっぱりすごくすごくいい! 嬉々とした魔女のような笑み、ああ、この子って人間じゃないんだっけと納得させられるわ。2016/06/19
天の川
23
冷戦が続くドイツのギムナジウムに現れたエドガーとアラン。何百年も生き続けた二人が、青春真っただ中の少年たちの閉鎖社会(まさに『小鳥の巣』だ)に身を置くことはストレスフルではないのだろうか…と思ったり。アランはエドガーにいつも自分を見つめていてもらいたい永遠の少年で、彼が傍らにいることでエドガーも旅が続けられるのだ。時代に翻弄され、ギムナジウムに辿り着いたキリアンがさらに重い運命を背負ってしまったことが哀しい。2016/05/25
k
12
ドイツのギムナジウムに現れたエドガーとアラン。目的はロビンという少年を探すため。アランは相変わらずエドガーが好きで、エドガーの心半分は永遠にメリーベルに占められている。寄宿学校が舞台という事でどうしても「トーマの心臓」が浮かんでしまった。それにしても45年たってもひとつも色あせていない。7月に発売される久々の新作に期待が高まる。2017/06/13
昭和っ子
7
「おお船よ!帆を掛けて進め。空の下、星の下、黎明へ。学校は中州にあり、波をかき分けて進む船のようにも見える」三角に折り畳んだ布団干しに引っ掛けていた洗濯物が大風にも負けず倒れてなかったのを確認した時、頭にふと浮かんで来た。染み付いてるよ、小学校の頃から読んでるんだもん!子供が憧れるのわかる。望都サマの漫画には詩があった。クックロビン音頭だってこの話が元ネタだ。「朝は七時、片岡に露満ちて」男子校の学園祭にて「お気に召すまま」を上演しようとするエピソード。あの頃はよくわからなかった冷戦下のドイツの事。
こぶた
3
★★★ ここぞというシーンで、アランとキリアンの区別がつかなくて苦労。しかし、少年たちの美しさ、繊細さ、はかなさ、残酷さがあって、古いけれど斬新。ヨーロッパ的なロマンティックという姿勢を崩さず拡張高く美しかった。2022/05/12